フェルスタッペンに激突された無抵抗のベッテル「若造じゃないんだから…ドライビングスタイルを変えるべき」
第三戦F1中国GP決勝レースで発生した接触事故によってレースを台無しにされてしまったセバスチャン・ベッテル(Ferrari)は、引き金となったマックス・フェルスタッペン(Red Bull)はドライビングスタイルを変えるべき時期に来ていると思う、と述べ苦言を呈した。
レース終盤、トロロッソ・ホンダ勢の同士討ちによってセーフティカーが出動。これを勝利へのチャンスと捉えたレッドブル勢は、2台同時にピットインを命じ新品ソフトタイヤへと交換、反撃の狼煙を上げた。コンディションとマッチしたピレリタイヤはレッドブルRB14の性能を遺憾なく路面へと伝え、二人のドライバーに翼を授けた。
コンペティティブなペースを手に入れたフェルスタッペン、難なく前走ルイス・ハミルトンを攻略し、3番手を走行していたベッテルへと襲いかかった。43周目、バックストレート終端のヘアピンで無理矢理イン側に飛び込みロックアップ。マシン右側を突かれたベッテルと共にスピンを喫し大きく順位を失った。
ダメージを負ったベッテルはマシンバランスが崩れてしまい、マクラーレンのフェルナンド・アロンソにも追い抜かれてしまう程に失速。結果、中国GPのポールシッターは8位でチェッカーフラッグを受け、一件の責任を問われたフェルスタッペンは10秒ペナルティのために5位に終わった。
「ブレーキングを遅らせようと思ったらリアタイヤがロックしてしまい接触してしまった。僕の責任だよ」とフェルスタッペン。全面的に非を認め、直接ベッテルに謝罪した事を明かした。とは言え、その攻撃的な走りにしばしば批判の矛先が集中する若きF1ドライバーは「単純に運がなかった」とも付け加えた。
フェルスタッペンの不用意な走りに対しては、育ての親とも言うべきレッドブルのモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコも苦言を呈した。「あれは彼に責任がある。やり過ぎだった。優勝のチャンスがあったのにも関わらず、自分でそれを放棄してしまったんだからね」
貴重なチャンピオンシップポイントを失った当のベッテルは、後ろから迫るフェルスタッペンと自分のペースの差を認識しており、抵抗する気はさらさらなかった事を明かした。
「マックスが少し位タイヤをロックアップさせても大丈夫なようにスペースを作っていたのに、あのロックアップは激しすぎたね。マックスは自分が過ちを犯した事を理解しているはずさ。リタイヤせずに済んだのは運が良かったけど、あれは要らないアクションだよ」
「彼はもう若手じゃないし多くの場数を踏んできたドライバーだけど、300戦を戦ったことのあるドライバーでさえ、ああいった事は起こり得るんだ。レース中に物事を判断するのは簡単じゃないって事を肝に銘じなきゃならない」
「彼はドライビングスタイルを変えるべき状況に置かれていると思う。そうじゃないとまた同じことをやらかすはずさ。そうは言っても、直接謝罪に来てくれて良かった。解決するには一対一で話をするのがベストだからね」