
「つまり、全開で行けと?」 フェルスタッペン、ラッセルの黄旗ポール騒動を揶揄/F1オーストリアGP
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が、2026年F1第8戦オーストリアGPの決勝レース中に、無線で黄旗を皮肉る一幕があった。それは明らかに、ジョージ・ラッセル(メルセデス)のポールポジション獲得をめぐる物議を念頭に置いたものに聞こえた。
黄旗報告の無線で返した「全開」ジョーク
71周のレースでは、24周目にカルロス・サインツ(ウィリアムズ)のマシンがホームストレート上で止まり、黄旗を経てバーチャル・セーフティーカー(VSC)が導入された。
担当レースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼは、すぐにこのアクシデントをフェルスタッペンに伝えた。「ターン10でイエロー、スタート・フィニッシュラインでダブルイエローだ。ここでイエロー、ダブルイエローだ」
これに対し、フェルスタッペンは軽口を飛ばした。
「それってつまり、全開で行けって意味だよね? あのマシンの脇を通過する時に」
そう言った後にすぐ、フェルスタッペンはこう付け加えた。
「冗談だよ」
ランビアーゼはこの冗談に取り合わず、「バーチャル・セーフティーカーだ」とだけ語り、状況の変化を報告した。
皮肉の背景にあった予選のポール劇
前日の予選Q3は衝撃的な結末を迎えた。マシンの技術的な問題により、ポールを争っていたフェルスタッペンがターン9でコントロールを失い、バリアにクラッシュしたのだ。
この事故では、シングルイエローが振られた後、ダブルイエローに切り替えられた。その間にラッセルは、黄旗区間を通過しながらもアタックラップをフィニッシュし、ポールを獲得した。
即座にダブルイエローが振られなかったことについて、フェルスタッペンは「正気じゃないね」と当惑を隠さなかった。
ラッセルが黄旗を無視した疑いがあるとして、スチュワードはこの件を一旦記録したが、最終的に調査は不要と判断。ラッセルのポールが確定した。
フェルスタッペンは、自らのクラッシュが黄旗の原因となり、そのポールをライバルにさらわれた当事者だった。
今季最高位の裏で明かした戴冠への課題
Courtesy Of Red Bull Content Pool
表彰台立つ優勝したジョージ・ラッセル(メルセデス)と2位マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2026年6月28日(日) F1オーストリアGP決勝(レッドブル・リンク)
フェルスタッペンが冗談を飛ばす余裕を見せることができた背景には、自身の好走があった。4度のF1王者は5番グリッドから2位まで追い上げ、レッドブルにとって今季最高の結果をつかんだ。
ラッセルの6周後に最後のピットストップを終えた段階で、フェルスタッペンは11秒の差を負っていた。だが、22周の最終スティントを通してその差を瞬く間に詰め、1.6秒差の2位でチェッカーフラッグを受けた。
優勝にはあと一歩届かなかったものの、レッドブルが投入したアップグレードが、今季初めて優勝争いを可能にした。フェルスタッペンはレース後、ピット戦略次第では優勝も可能だったとの考えを示した。
もっともフェルスタッペンは、まだ改善が必要との見方も示した。今回の挽回劇で選手権をリードするアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)との差を縮めたものの、依然として98ポイントの大差で遅れを取っている。
レース後、今季のタイトル争いの可能性について問われたフェルスタッペンは、こう語った。
「まだ数多くのレースが残っているけど、かなり大きな差だ。今回はかなり良いペースがあったと思うけど、タイトルを争うには、もっと総合的に強くならないと。まだ問題が多すぎる」
「スタートのこともあるし、舞台裏の手順面の問題もある。君らが知らないこともあると思う。だから、もう少し総合的に強化しないと」
「これは、批判とか、そういうことじゃない。ご存じの通り、僕らは常により上を、ベストを目指している。だから、そうしたすべてのことに取り組まなきゃならない」
「もう少し、例えば盤石な状態を作り上げることができれば、もちろん話は変わってくる。過去にそれを示してきたしね。だから、そこまで時間がかかりすぎないことを願っている。今の段階では、まだやるべきことが残っている」
2026年F1第8戦オーストリアGPの決勝では、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がポール・トゥ・ウィンを飾り、今季2勝目を上げた。2位はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3位にはアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が滑り込んだ。
シルバーストン・サーキットを舞台とする次戦イギリスGPは、7月3日(金)のフリー走行1で幕を開ける。