
F1南アフリカGP復活へ「第4の計画」 ケープタウン郊外に常設サーキット、2031年開催へ既に用地確保
南アフリカの非公開会社ブルー・マウンテン・レーシング(BMR)が、ケープタウン郊外に常設サーキットを新設し、2031年にF1南アフリカGPを開催する計画を明らかにした。事業は全額を民間資金で賄う方針で、すでに用地を確保した。
南アフリカで最後にF1が開催されたのは、ヨハネスブルク近郊のキャラミ・サーキットを舞台とした1993年だ。
南アフリカGPの復活をめぐってはこれまで、キャラミやケープタウンでの市街地レース、ウィングフィールド飛行場でのレースなど、幾つかのプロジェクトが取り沙汰されてきたが、新たな主催者候補として浮上したBMRは、常設サーキットの新設という第4の選択肢を採った。
2031年F1開催へ常設サーキット新設
Courtesy Of Blue Mountain Racing
花火とライトに彩られた夕暮れのメインストレートをF1マシンが走行する様子、南アフリカ・ケープタウン近郊スワートランドに建設予定の新サーキット完成予想図、2026年9月30日(水)
建設予定地はケープタウン北方、西ケープ州のスワートランド地域に位置する。2026年4月に600ヘクタールを確保した。全長は4.5~5.5kmで、600mのピットストレートと約1kmに及ぶエンジン全開区間を設け、自然の高低差をレイアウトに取り込む計画だ。
設計段階から国際自動車連盟(FIA)のグレード1と国際モーターサイクリズム連盟(FIM)のグレードAの基準に対応させ、F1に加えてMotoGPの誘致も進める。
市街地コースを選択せず、未開拓の郊外に常設コースを建設する狙いについてBMRは、全長や幅、高低差、ランオフエリアの設計自由度を挙げつつ、仮設の市街地コースの場合、長期間にわたり市民の生活に影響が及ぶだけでなく、公的な負担も避けられないと説明する。
ケープタウンの国際的な知名度や観光資源を生かす計画で、欧州、米国、中東と直行便で結ばれた国際空港、豊富な宿泊施設、テーブルマウンテンや周辺の海岸、ワイン産地などを、観戦客を呼び込む強みとして打ち出している。
Courtesy Of Blue Mountain Racing
テーブルマウンテンを望む海岸沿いでF1マシンの展示やステージイベントを楽しむ大勢のファンを描いた様子、南アフリカ・ケープタウン近郊スワートランドに建設予定の新サーキット完成予想図、2026年9月30日(水)
民間資金で通年型の複合施設を構想
この計画を率いるニール・フロネマンは、資源大手シバニェ・スティルウォーター創業時の最高経営責任者を務めた人物だ。BMRの最高経営責任者を務めるボビー・ハーツリーフも、F1やMotoGPの運営・プロモーションに携わってきた人物で、国際的なモータースポーツにおいて40年以上の経験を持つ。
サーキット以外にも、会議施設や野外劇場、50ヘクタールのウォーターフロント、商業施設、ホテル、住宅などの整備が計画されている。
さらに、自動車メーカーやチーム向けの研究・技術施設、ドライビング・アカデミー、自動車分野の技能育成プログラムも設ける。周辺地域の若者がカートを通じてモータースポーツに進む機会を提供する計画も盛り込んだ。
Courtesy Of Blue Mountain Racing
テーブルマウンテンを望む海岸沿いでF1マシンの展示やステージイベントを楽しむ大勢のファンを描いた様子、南アフリカ・ケープタウン近郊スワートランドに建設予定の新サーキット完成予想図、2026年9月30日(水)
BMRによると、このプロジェクトには「南アフリカの複数の大手企業から強い関心と原則的な支持が寄せられている」という。ただし、現時点では事業費の総額や資金調達の状況は明らかにされておらず、引き続き関係パートナーとの協議を継続していくとしている。
一方、BMRはすでにF1およびMotoGPの商業・競技運営当局との協議を進めており、2028年にかけて土地利用区分の変更、環境影響評価(環境アセスメント)を進めつつ、設計を完了させ、2029年の着工を予定している。
2030年初頭からはFIAおよびFIMの認証取得に向けた手続きを進めつつ、テストケースとして実証イベントを開催し、翌2031年に同地で初のグランプリ開催を目指す計画だ。ただし、現時点では開催契約は締結されておらず、実現の可能性については慎重に見極める必要がある。
Courtesy Of Blue Mountain Racing
F1マシンの展示やレーシングシミュレーターを楽しむファンを描いたイメージ、南アフリカ・ケープタウン近郊スワートランドに建設予定の新サーキット完成予想図、2026年9月30日(水)