F1オーストリアGP惨敗の真因は3ストップにあらず、とフェラーリ。”標的”を見誤り後手に回る

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前戦バルセロナ・カタロニアGPで歓喜の今季初勝利を挙げたスクーデリア・フェラーリにとって、アップグレード版パワーユニット(PU)を持ち込んだレッドブル・リンクでの71周は厳しい現実を突きつけられるレースとなった。

土曜日の予選ではシャルル・ルクレールが2番グリッド、ルイス・ハミルトンが3番グリッドを獲得し、フロントロウ付近に2台を並べる絶好の位置につけた。だが、その力強さは決勝で跡形もなく姿を消し、最終的にハミルトンは5位、ルクレールは8位へと大きく順位を落としてフィニッシュした。

敗因は戦略ではなくペース不足

全22台のうち、3ストップ戦略を採用したのはフェラーリ勢を含むわずか3台だった。そのため、戦略が自滅を招いたのではないかとの見方が出るのは、ある意味で必然だった。

だが、フェラーリのチーム代表フレデリック・バスールは、この見方を真っ向から否定した。3ストップは攻めの一手というより、激しいデグラデーションを背景とするペース不足に陥ったがゆえに選ばざるを得なかった後手の対応だった。

「戦略が問題だったわけではない」とバスールは断言する。「問題は、メルセデスやフェルスタッペンほどのペースがなかったことだ」

「ペース不足を補うために戦略面でリスクを取ったが、結局バトルにならなかった。金曜日の内容が良くなかったことも影響した」

初日2回のフリー走行を通してフェラーリはペース不足に苦戦した。その結果、決勝を念頭に置いた適切なロングランを消化できていなかった。

ルクレールもまた、戦略には改善の余地があったとする一方、「どちらかと言えばペースの問題だったと思う」と指摘した。

見誤った標的と過剰なプッシュ

さらに、ペースに劣るマシンで無理を重ねた代償は、車体の各部にオーバーヒートという形で表れた。

レース序盤、3番手スタートのハミルトンは2番手を走行し、先頭集団に食らいつこうとプッシュした。だが、最初のピットストップを迎える前に、マシンバランスが大きく変化したと無線で不満を訴えた。

さらにレース終盤には、レースエンジニアからエンジンモードを「TS」へ切り替えるようにとの指示が飛んだ。これはバッテリーのオーバーヒートを受け、PUの出力を抑えて保護するための緊急対策だったとみられる。

結果として前戦ウィナーのハミルトンは、優勝したジョージ・ラッセル(メルセデス)から26秒差でチェッカーを受けた。

バスールは、実力差を補おうとした序盤の無理が、結果的に最後まで影響を及ぼしたという見方を示した。

「振り返ると、今日はメルセデスを意識しすぎていたのかもしれない。2台とも序盤に攻めすぎ、その後も彼らについていこうとして戦略面でも積極的に動きすぎた。現実的には、あれは我々が戦うべき相手ではなかった」とバスールは振り返った。


2026年F1第8戦オーストリアGPの決勝では、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がポール・トゥ・ウィンを飾り、今季2勝目を上げた。2位はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3位にはアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が滑り込んだ。

シルバーストン・サーキットを舞台とする次戦イギリスGPは、7月3日(金)のフリー走行1で幕を開ける。

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