
高速クラッシュに単黄旗「正気じゃない」――F1オーストリアGP予選判定で論争、ラッセル支持もマックスとキミは批判
2026年F1第8戦オーストリアGPの公式予選において、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)のクラッシュを受けて提示されたイエローフラッグは、ポールポジションの行方を左右しただけでなく、ドライバーの間で論争を呼んでいる。
高速クラッシュでの単黄旗に「正気じゃない」
フェルスタッペンはQ3の最終アタック中、高速コーナーのターン9でコントロールを失いクラッシュ。RB22はグラベルを越えて側面からバリアに激突した。
後続車両が同じようにクラッシュした場合、同じ場所にマシンが飛び込む恐れもある状況であったが、当初提示されたのはシングルイエローだった。
この事実をセッション後に知らされたフェルスタッペンは、「今初めて知ったよ。正気じゃないね」と当惑を隠さなかった。
事故現場の状況から、ダブルイエローフラッグが出ていると誤認した結果、アタックを中止して4番手に沈んだアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)も、この判断を批判した。
「高速コーナーでクルマが壁に突っ込んでいたわけだから、なぜすぐにダブルイエローにならなかったのか分からない。同じタイミングで他の誰かがコースオフすれば、大惨事になりかねないわけだからね」とアントネッリは語る。
「低速コーナーならシングルでも構わないのかもしれないけど、高速コーナーで起きた場合は即座にダブルが出されるべきで、検証が必要なことは間違いないよ」
黄旗で明暗分かれたポールポジション
シングルイエローが振られた場合、ドライバーは速度を落とし、進路変更に備えなければならない。規則上は、当該マーシャル区間で通常より早いタイミングでブレーキをかける、あるいは明確に減速したことが確認されればこの要件を満たす。
一方で、ダブルイエローの場合は、停止できる速度まで大幅に減速することが求められており、ドライバーはそのラップを中止しなければならない。
ラッセルが当該区間を通過した時点で、ダブルイエローは提示されていなかったが、アタックを終えてインラップに入るとシングルからダブルに切り替えられた。
結果としてラッセルは、シングルイエローの規定に従って適切に減速しつつも、レーシングスピードを維持してコントロールラインを駆け抜け、逆転のポールポジションを獲得した。
ラッセルはシングルイエロー判定を支持
当初からダブルイエローとしなかったこの判断における最大の受益者となったラッセルは、グランプリ・ドライバーズ協会(GPDA)の理事という立場からも、判断は正しかったと擁護する。
「あそこはランオフエリアがかなり広く、クラッシュしたマシンすら見えなかった。あの状況ならシングルイエローが適切だ。だってダブルイエローは差し迫った危険を示すものだからね」とラッセルは主張する。
「シングルイエローに従ってコーナーの100m手前でアクセルを戻した状態で、マシンのコントロールを失うなんてことは絶対にない」
「フェルスタッペンがあれだけ遠くのバリアに激突したのは、限界まで攻めてコントロールを失ったからに他ならない」
「だからシングルイエローとしたのは正しい判断だったと思うし、僕も十分にクルマをコントロールし、すべてにおいて適切に対応した」
この件について国際自動車連盟(FIA)は、マーシャルが現場判断でシングルイエローを提示し、その後レースコントロールが実際の事故を評価。必要に応じてダブルイエローに切り替えるのは、標準的な手順だと説明している。
とはいえ、ドライバー間で認識が分かれたこの一件は、今後のドライバーズ・ブリーフィングでも議論の的となりそうだ。
2026年F1オーストリアGP予選では、黄旗の遵守をめぐる物議を経てジョージ・ラッセル(メルセデス)がポールポジションを獲得。2番手にシャルル・ルクレール、3番手にルイス・ハミルトンと、その後方をフェラーリ勢が占める結果となった。
決勝レースは日本時間6月28日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4326mのレッドブル・リンクを71周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はフジテレビNEXTで生配信・生中継される。