迷いなく「即決」だったマックス・フェルスタッペンのレッドブル・ホンダ残留
「フェルスタッペンは何故、レッドブルとの契約延長を早期に決断?」で報じた通り、マックス・フェルスタッペンの残留発表は、時期的に不自然なほど早かった。実際、フェルスタッペンの共同マネージャーによると、交渉は非常にスムーズに進んだようだ。
2023年末までの残留契約について、フェルスタッペンのマネージャーを務めるレイモンド・フェルムーレンは、フェルスタッペンの母国オランダのformule1とのインタビューの中で「マックスとヨス(フェルスタッペンの父親)と私は、これが最良の選択だと即決した」と語った。
「我々は(2019年の)F1ブラジルGPの際にヘルムート(マルコ)と夕食を共にし、そこで初めて非公式の話し合いをした。それは形式的なもので、我々はお互いの短期、中期、長期のビジョンについて幾つか議論した」
交渉の肝となったのはホンダだ。日本のエンジンメーカーは2021年末までF1に留まる事を約束しているものの、その後については未定となっている。そのため今回結ばれた契約書においては、ホンダが21年末で撤退した場合の特別条項が設けられていると考えるのが妥当だ。「仮にホンダが撤退した場合、その事実が明らかになった時点を以て、フェルスタッペンに契約解除権が与えられる」というように。
レイモンド・フェルムーレンは「我々はホンダの開発プロジェクトのすべての面に自信を持っている。”レッドブル・ホンダ”としてのビジネスはまだ未完成だ」と述べ、目標に掲げる”チャンピオンシップ制覇”を達成しない事には、ホンダが撤退する事などあってはならないと主張した。
願いさえすればライバルチームへ移籍できるフェルスタッペンが、1月中にレッドブル・ホンダ残留を決断するだけのメリットは殆どない。早期決断は、2022年以降もF1に留まる事をホンダの役員会で納得させるための材料の一つであると考えると合点がいく。
とは言え、自身がコミットメントしさえすれば、レッドブルとフェルスタッペンという”黄金カード”が手に入るのは、ホンダとしてこの上ないチャンスと言える。それは、”F1史に残る黄金時代を築き上げるチャンス”と言っても大袈裟ではないだろう。
「最近のF1はホンダが勝ちすぎて面白くないよな」と言われる位に、ホンダが連勝を重ねる姿が見てみたい。