
フェルスタッペン、”6箇所”で脱輪覚悟「頼むから…」文字通りの限界挑戦―ホンダとの最終年に花を添える鈴鹿歴代最速記録
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は4月5日の2025年F1第3戦日本GP予選で、鈴鹿サーキット史上最速となる1分26秒983を記録。4年連続のポールポジションを獲得し、ホンダとのパートナーシップ最終年に花を添えた。
2024年シーズン中盤以降、マクラーレンを筆頭とするライバルチームの前進により、レッドブルは徐々に競争力を失っていった。その流れは今週末の鈴鹿でも続き、予選Q2までの全セッションでマクラーレン勢がトップを独占。フェルスタッペンは、プラクティスを通じてトップ4にすら一度も名を連ねることができなかった。
そうした状況下でのポール獲得は、まさに誰も予想し得なかった“衝撃の結果”と言える。フェルスタッペンにとっては今季初、そして2024年6月以来となる予選最速タイム。しかも、その差は僅か0.012秒という接戦で、マクラーレンのランド・ノリスを2番手に退けた。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
予選を経て写真撮影に臨む2位ランド・ノリス(マクラーレン)、ポールのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、3位オスカー・ピアストリ(マクラーレン)、2025年4月5日(土) F1日本GP(鈴鹿サーキット)
リスク覚悟の限界アタック―6箇所で「祈りながら走った」
Q3の最初のラップを終えて、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が暫定トップに立つ中、フェルスタッペンはリスクを取る決断を下した。計6箇所で「限界を超えたかもしれない」と語るほどの攻めの走りを見せた。
「ターン1の出口からターン2、6、7、8、それにスプーンかな。頼むから“何とかコース上にとどまってくれ”って祈るような感覚だったよ」とフェルスタッペンは振り返る。
「結果的にうまくいって本当に良かった。フィニッシュラインを越えた瞬間、自分の名前がトップにあるのが見えた。ただ、その時点でオスカーもまだラップ中だったから、最終的にどうなるかは分からなかったけど、それでもその時点で自分の走りにはすごく満足していた。あそこまで攻め切れるとは思っていなかったし、本当に嬉しかった」と喜びを語った。
また、再舗装された鈴鹿サーキットでの走行については、「グリップがさらに増したことで、かえって難しさが増した」と語り、「まさに狂気のようだ」と表現した。
コースの両脇に芝とグラベルが控える鈴鹿は、わずかでもホイールがコース外に落ちれば、それで全てが終わる非情なコースだ。
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4年連続のポールポジション獲得を経てパルクフェルメで喜ぶマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2025年4月5日(土) F1日本GP予選(鈴鹿サーキット)
完全解決には至らず―「理想とは程遠い」状態でのポール
レッドブルは、週末を通して様々なセットアップをテストするなど、クルマを鈴鹿に合わせ込むのに苦労していた。フリー走行ではフェルスタッペンがシャシーの「しなり」を訴える場面もあった。
ポールラップを見る限りでは、問題が解消されたかのようにも思えたが、実際には「理想」とは程遠く、「ドライブ可能なバランス」を見つけ出したに過ぎなかった。
「少しは良くなったよ。ただ、コーナリング中のバランスにはまだ課題が残っている。燃料が少ない1周のアタックでは多少ごまかせる部分もあるけど、それでも完全に自信を持って、気持ちよく走れるような状況じゃなかった」
「だから最後のラップは、『もう考えずに全開で行こう』って感じだったんだ。もちろん、そういうラップがうまくいくことなんて滅多にないけど、今回はうまくいってよかった」と、達成感をにじませた。
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予選後のドライバーズ記者会見に臨むポールポジションのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2025年4月5日(土) F1日本GP予選(鈴鹿サーキット)
鈴鹿はF1カレンダーの中でも屈指の高速サーキットであるため、バランスにわずかな問題があっても、それが特定のコーナーで大きく露呈してしまう。そんな中で、最速タイムを狙うには相当なリスクを取らねばならない。
今回の問題はセットアップの範疇ではなく、マシンの設計自体に起因しているとみられる。「解決すべき問題があるのは分かっているけれど、現時点ではそれを解決するのは簡単じゃない」とフェルスタッペンは語った。
背後に控えるマクラーレン「諦める気はない」
決勝では、背後にマクラーレン勢を従えてのスタートとなる。「抑えるのはかなり難しい」としつつもフェルスタッペンは「それでも構わない。僕はベストを尽くすだけだ」とブレない姿勢を見せた。
「今シーズンはまだ、彼らと本当の意味で戦える状況にないけれど、諦めるつもりはないし、黙って受け入れる気もない。まだシーズンは長いし、できるだけ多くのポイントを積み重ねることが大事だ。とりあえず、ポールポジションからスタートできるわけだし、あとはやるだけさ」
2025年F1日本GP予選では、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が4年連続のポールポジションを獲得。2番手はランド・ノリス、3番手はオスカー・ピアストリと、本命とされたマクラーレン勢を退けての逆転のポールとなった。
決勝レースは日本時間4月6日(日)14時にフォーメーションラップが開始され、1周5,807mの鈴鹿サーキットを53周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。