F1アメリカ決勝に向け浮上したダークホース、フェルスタッペン復活の狼煙も”本命”は別だとマクラーレン
2024年10月19日のF1第19戦アメリカGPで、6月のスペインGP以来となるトップチェッカーを受け、復活の狼煙を上げたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)だが、マクラーレンは決勝の本命をフェラーリと見ている。
フェルスタッペンはフェラーリSF24を駆るカルロス・サインツに3.8秒の差をつけた。ただし、前者はポールからスタートしてトップを快走し続け、後者は5番グリッドからメルセデスを交わし、ダーティーエアを受けながらチームメイトと激しいバトルを演じた後に、ランド・ノリス(マクラーレン)を抜き去っての2位だった。
マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、19周のスプリントを通して終始、一貫性のあるハイペースを刻んだフェラーリが日曜のレースの優勝候補だと考えている。
「新品タイヤを履いた状態のフェラーリが最速の1台であることは間違いないと思う。彼らは昨日も今日のスプリントでも幾つかの問題を抱えていたが、それでもなお、最も確かなクルマに見えた」とステラは語った。
「だから、明日のレースでは彼らが優勝候補だと思う」
最終ラップまでフェルスタッペンに次ぐ2番手を走行しながらも、サインツに交わされ3位に終わったノリスもまた、レッドブルよりフェラーリを警戒している。
「レース終盤にフェラーリは、僕らとは次元の違う速さを見せていた。ポジションを守ろうとベストを尽くしたけど、2位をキープできる可能性はほとんどなかった。だから、4番手から一つでもポジションを上げられて満足してる」とノリスは語った。
「善戦したけど、今週末はペースが足りていない。だから、予選とレースに向けて、幾つか変更を加える必要があるかもしれない。同じレベルではないにせよ、僕らはマックスと同じくらいだと思う。でも、フェラーリに対しては、かなり差をつけられてる」
「今回、アップデートがあって本当に良かった。これがなければ、もっと悪いグリッドだったと思う」
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、「チームメイト同士で互いに争っていたにもかかわらず、かなりの競争力を発揮したように思う」と述べ、赤き跳ね馬のポテンシャルを評価する一方、フェルスタッペンにはかなりの余力が残っていたと指摘した。
「フェラーリは明日のレースで間違いなく、強敵となるだろうが、マックスの最終ラップを見て分かるように、彼はタイヤを上手くマネジメントして、まだかなりのパフォーマンスを残していた」
スプリント予選でのフェラーリはポール争いに絡めず、ルクレールが3番手、サインツが5番手に留まった。
その意味では日曜のレースに向けたダークホースと言えるが、ミディアムの使用が義務付けられたSQ1・2ではかなりの競争力を発揮しており、単に、ソフトを履かなければならないSQ3でタイヤを機能させることができなかった、と見ることもできる。
スプリントではフェラーリを含む全車がミディアムタイヤをチョイスした。