Q1敗退を経てピットレーンを歩くリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)、2025年7月5日(土) F1イギリスGP予選(シルバーストン・サーキット)

好調一転の悪夢、ローソン「突然出てきた新しい問題」に直面…まさかのQ1敗退

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キャリアベストの6位入賞を果たしたオーストリアGPから1週間。2025年F1第12戦イギリスGPで、レーシング・ブルズのリアム・ローソンに試練が襲いかかった。

フリー走行では常にトップ10圏内の速さを見せ、週末を通して好調なペースを維持していたものの、予選ではまさかのQ1敗退を喫した。予選のオープニングセッションでノックアウトするのは今季7回目だ。

シルバーストン・サーキットでの土曜日は、レーシング・ブルズ全体にとっても悪夢の一日となった。ローソンだけでなく、チームメイトのアイザック・ハジャーも13番手に終わり、両者ともフリー走行で発揮した高い競争力を失う形となった。

シルバーストンでの暗転

「タイヤを良い状態に持っていけなかった」 明らかに落胆した様子のローソンは、予選をこう振り返った。

「今週末はずっとクルマの調子が良かったから、余計にフラストレーションが溜まるよ。理由はよくわからないけど、タイヤをうまく使えなかった。ラップの出だしからグリップが全然なくて、ラップ中もずっと良くならなかった」

週末を通して安定したパフォーマンスを発揮していただけに、予選での突然の不調は本人にとっても理解に苦しむものだった。

「週末全体が台無しになったわけじゃないけど、予選という肝心な場面でセッションがダメになってしまい本当に残念だよ。今週末は速さがあっただけにね」とローソンは悔しさを滲ませた。

シルバーストン・サーキットを走行するリアム・ローソンのレーシング・ブルズVCARB 02、2025年7月5日(土) F1イギリスGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

シルバーストン・サーキットを走行するリアム・ローソンのレーシング・ブルズVCARB 02、2025年7月5日(土) F1イギリスGP

チームの最高技術責任者(CTO)を務めるティム・ゴスも、ローソンの予選について「特にセクター3でグリップを欠いた結果、惜しくもQ2進出を逃した」と語り、フラストレーションを抱えていることを認めた。

敗因はタイヤの温度マネジメント

予選Q1では、フランコ・コラピント(アルピーヌ)のスピンにより赤旗が提示され、セッションが一時中断される波乱もあった。その際にコースの一部では降雨も観測されたが、ローソンは雨の影響を軽視している。

「たぶん一番大きかったのは温度だと思う」とローソンは説明する。

「何らかの理由で、タイヤを良い状態に持っていけなかった。週末を通してそんな問題は一切なかったから、予選で突然出てきた新しい問題だと思う。どちらかと言うと温度が原因だね」

レースに向けた厳しい見通し

予選8番手のオリバー・ベアマン(ハース)に10グリッド降格ペナルティが科されるため、ローソンは日曜の決勝レースを15番グリッドからスタートすることになる。

高速コーナーが主体のシルバーストンはオーバーテイクが難しい。ローソンは決勝に向けて現実的な見通しを示した。

「頑張るつもりだけど、厳しいレースになるだろうね」

とは言え、週末を通してVCARB 02が見せたスピードは、ポイントフィニッシュに値するものだった。ローソンは予選での不調を乗り越え、決勝でどのような走りを見せてくれるのだろうか。


2025年F1イギリスGP予選では、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポールポジションを獲得。これに続いたのはマクラーレン勢で、2番手にオスカー・ピアストリ、3番手にランド・ノリスが入った。

決勝レースは日本時間7月6日(日)23時にフォーメーションラップが開始され、1周5891mのシルバーストン・サーキットを52周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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