2018年F1ブラジルGPに向けてメディア取材を受けるトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーの後ろ姿
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トロロッソ・ホンダ、F1選手権8位奪還を目指しブラジルGPで”完全武装”。スペック3と新型エアロでW入賞をロックオン

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2018シーズンのF1選手権争いが佳境を迎える中、ホンダ・レーシングはアルファロメオ・ザウバーに奪われたコンストラクターズ8位を奪還すべく、第20戦ブラジルGPに最新型スペック3エンジンを投入する事を決断。スクーデリア・トロロッソもアップグレード版エアロを二台のSTR13に投入し、完全武装でインテルラゴスに乗り込む。

ザウバーは前戦メキシコGPでマーカス・エリクソンが9位、シャルル・ルクレールが7位でチェッカーを受けダブル入賞。これにより8ポイントを上乗せして合計36点とし、トロロッソ・ホンダを抜き去り、3ポイント差でチャンピオンシップ8位に浮上した。

ホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターは先週、今シーズン中に再びスペック3を投入するかどうかは未定だと説明していたが、日本GPとアメリカGPで明らかとなった信頼性に関する懸念事項を念入りに調査した結果、残りの2つのレースで新型エンジンを再投入する決定を下した。

今季も残すところブラジルGPとアブダビGPの2戦のみ。既にドライバーズタイトルは決したものの、コンストラクターズランキングは、チームにとって個人タイトルよりも遥かに大きな意味を持つ。年間8位と9位の差は僅かひとつに過ぎないが、賞金額で見ると億単位の違いとなって来シーズンのリソースに大きなインパクトを与える。

熾烈なバトルを前にしたピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレーは、順位奪還に向けて驚くほど楽観的な姿勢を見せている。

「今週末は、僕達にとって前向きな材料がすごく豊富だよ」とピエール・ガスリー。「過去2戦ではグリッド後方からのスタートを強いられてしまい厳しいレースだっただけに、これ以上ペナルティを受ける必要がないのは最高さ。ポイント獲得を考えれば、この前の2レースとは全然状況が違うからね」

「僕らはコンストラクターズでの8位をかけてザウバーと戦わなきゃならない。たった3ポイント先行されてるだけだけど、その差は大きい。分配金が全然違うからね。来年のマシン開発に大きな影響がある」

「チャンスを最大限に活かさなきゃならない。チャンピオンシップで順位を奪い返すためには、両方のクルマがポイントを獲得することが凄く大切だ。出来る限りトラブルのない週末を過ごして、ペナルティなしに日曜のレースをスタートする必要がある」

トロロッソ・ホンダ勢は前戦メキシコで性能に劣る旧型エンジンを使用していただけでなく、パワーユニット交換に伴うグリッド降格ペナルティのために厳しいレースウィークを余儀なくされた。だが、今週末はよりパワフルな出力を誇るスペック3エンジンとアップグレード版空力パッケージを搭載。エアロと馬力の両面で戦闘力を飛躍的に高める事になる。

「今の僕らが最も集中して取り組まなきゃならないのは、シーズンの終わりまでにザウバーの前に出ることだ」とブレンドン・ハートレー。「でも、残り2つのグランプリは楽しめると思ってる。古いスペックのエンジンを使っていた事を思えば、この前のメキシコでのペースは本当に凄く良かったしね」

「ファーストラップの時にタイヤにフラットスポットが出来てしまうトラブルはあったけど、ペナルティとマシンのダメージがなければポイント圏内にいたはずだった。最新仕様のエンジンのパフォーマンス・ゲインがどの程度かは分かっているし、今週末は僕ら二人共が改良された新しいエアロパッケージを使う事が出来る。2018シーズンのラスト2戦は、僕らにとってエキサイティングで希望に満ちたグランプリになると思う」

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