対照的なマクラーレン、大幅後退に困惑するリカルドと直前19番手からの予選4番手は「想定内」とするノリス
マクラーレン・レーシングは6月26日(土)のF1シュタイアーマルクGP予選でランド・ノリスが殊勲4番手を獲得した一方、ダニエル・リカルドはQ2敗退を喫して13番手に留まった。リカルドがQ3を逃したのは過去6戦で4度目。
初日FP2ではタイムシート首位のマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)に0.336秒と迫る2番手を刻んでいただけに、リカルドは予選に大きな期待を抱いていたという。失意は大きい。
予選を振り返ったリカルドは「金曜のフリー走行に過ぎないとは言え、昨日は明らかに速さがあった。無論ポールを狙えるとは思っていなかったけど、それでも昨日はあらゆる面でかなり良い感じだった」と述べ、予選での大幅な後退について「ちょっとした謎だ」と困惑した表情を浮かべた。
「どういう訳か、今日は1秒近く遅くなってしまった。かなり大きな差だ。何故なのかは分からない」
2日目に向けてクルマに施したセットアップ変更が原因ではないのか? リカルドは「確かに少し微調整したけどクレイジーな事は何もしてないし、これほど大きく後退した説明になるような事は何もしていない」と、その可能性を除外した。
とは言えリカルドは、予選に苦労しながらも過去7戦の内の6戦において入賞を果たしている。チーム代表のアンドレアス・ザイドルは「今日のデータを分析して、ポイント圏内に戻る事を明確な目標として決勝に向けて準備を進めていく」と巻き返しを誓った。
一方のノリスは対照的に、FP3を19番手で終えたものの予選ではレッドブル・ホンダのセルジオ・ペレスを交わしてメルセデスのルイス・ハミルトンに1000分の53秒差と迫る4番手タイムをマークした。
リザルトとして見れば奇跡的な逆転だが、ノリス自身にとってはある程度想定内であったようで、予選での逆転を予想していたかと聞かれると「イエス」と答えた。
マクラーレンMCL35Mは予選に入ると驚異的にパフォーマンスを上げてくる傾向が伺える。その理由についてノリスは「燃料搭載量が少ないと競争力が増すように思う」と説明した。
何を隠そうレッドブル・リンクはノリスが昨年のオーストリアGPでキャリア初の表彰台に上がった縁起の良いコースだ。
ノリスは決勝に向けて「もしチャンスがあれば100%それを狙っていく」と述べ昨年の再現に期待を示したが、同時に「メルセデスもレッドブルも僕らよりかなり速い」として、あくまでもベスト・オブ・レストの5番手を目標にレースを戦っていく意向を示した。
ポールポジションはマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。2番手はバルテリ・ボッタス(メルセデス)。3番手はルイス・ハミルトン(メルセデス)という結果となった。
2021年 F1シュタイアーマルクグランプリ決勝レースは、日本時間6月27日(日)22時にスタート。1周4326mのレッドブル・リンクを71周する事でチャンピオンシップを争う。