RBのガレージ前に止まったダニエル・リカルドの3号車VCARB 01、2024年6月21日F1スペインGP
Courtesy Of Red Bull Content Pool

「厳しい試練に直面」とRBメキーズ、”大きな期待”も競争力なく3連戦初戦で後手後手のノーポイント

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5戦ぶりに無得点に終わったF1第10戦スペインGPを経てRBのローラン・メキーズ代表は、立て直しの時間的制約から「厳しい試練に直面している」と認めた。

稼ぎ頭の角田裕毅は予選17番手と苦戦し、レースでも終始、クルマの違和感に見舞われ、為す術もなく今季ワーストの19位に終わった。

決勝を経てテクニカル・ディレクターを務めるジョディ・エギントンは、バランスに苦戦する角田裕毅を助けようと「ツールやフラップの調整を通して改善しようと懸命に努力した」と説明したが、実を結ぶことはなかった。

エギントンは「期待外れ」の週末になったと認め、「パルクフェルメから戻ってきたクルマを念入りに調査し、明らかな問題がないかを確認する必要がある」と付け加えた。

ピットレーンからガレージを見守るRBフォーミュラ1のアラン・パーメイン(レースディレクター)とローラン・メキーズ(チーム代表)、2024年6月22日(土) F1スペインGP予選(カタロニア・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

ピットレーンからガレージを見守るRBフォーミュラ1のアラン・パーメイン(レースディレクター)とローラン・メキーズ(チーム代表)、2024年6月22日(土) F1スペインGP予選(カタロニア・サーキット)

ノーポイントはただでさえ期待外れではあるが、メキーズによれば今週末は特に、チーム全体が「大きな期待」を抱いていた。

カナダまでの開幕9戦を経て中団最速チームとしての立場を固めたRBは、コンストラクター選手権5位につけるアストンマーチンに照準を合わせた。

この目標に向かってRBは、ファクトリーの誰もが設計・製造に「懸命」に取り組んできたフロアや新型リアウイングを含む広範なアップグレードパッケージをバルセロナに持ち込んだ。

にも関わらず、FP1の段階から競争力を欠き、予選では今季初のダブルQ1敗退を喫し、レースでは一度も浮上のきっかけを掴めないままノーポイントに終わった。

3連戦の初戦であるスペインの翌週末にはオーストリア、そして2週間後にはイギリスが控える。スペインを含め、いずれの舞台も伝統的な中高速サーキットだ。

スペインでの苦戦は3連戦全体での苦戦となり得る。おまけにオーストリアはスプリント・フォーマットが採用されるためプラクティスが60分しかない。

「チーム全体が厳しい試練に直面している。我々は次のレッドブルリンクまでの僅かな期間で少しでも前進できるよう取り組んでいかなければならない」とメキーズは語る。

「我々にとって厳しい週末であったことは否定できないし、ライバルとのギャップが非常に小さかったとは言え、競争力を欠いたという事実に対して言い訳をするつもりもない」

「今シーズンは非常に長い。厳しい週末もあるだろう。今回のことは乗り越えなければならない。落胆することなくオーストリアで巻き返すために前を向き集中していく」

レース前のグリッドで腕を組む角田裕毅(RBフォーミュラ1)、2024年6月23日(日) F1スペインGP決勝(カタロニア・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

レース前のグリッドで腕を組む角田裕毅(RBフォーミュラ1)、2024年6月23日(日) F1スペインGP決勝(カタロニア・サーキット)

ペースがなく、ポイント獲得の望みもなく、クルマに問題を抱えながらもチームは角田裕毅をリタイヤさせなかった。アップグレードを評価し、そのポテンシャルを引き出す術を探るうえで周回数を稼ぐことは極めて重要だった。

「2台のマシンで多くのテストを消化し、できるだけ多くのデータを集めることができたのは良かった」とメキーズは付け加えた。


2024年F1第10戦スペインGPでは、2番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今季7勝目を上げた。

レッドブルリンクを舞台とする次戦オーストリアGPは6月28日のフリー走行1で幕を開ける。

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