
止まらないでくれ―平川亮、制動問題でグラベル突入も“耐久の知見”で停止回避
2025年F1第9戦スペインGPの初日フリー走行1回目(FP1)にて、ハースのリザーブドライバーを務める平川亮が、バーレーンGPのFP1に続きVF-25をドライブした。
開始早々にグラベルへ飛び出す場面に見舞われたが、冷静に対処し走行を継続。23周を走り込み、建設的なフィードバックを提供するなど、チームに貢献した。
エステバン・オコンのマシンを借り受けコースに向かった7分後、平川はターン10でグラベルに飛び出した。セッション即終了の危機。止まってしまえばチームにも多大な迷惑をかけることになるが、その広大なグラベルを自力で脱出した。
セッション後、平川は当時の心境について「クルマが止まらないことを祈っていました。ただ、耐久レースでの経験が活きたのか、何とか走行を続けることができました」と苦笑まじりに振り返った。
飛び出しの原因については「ブレーキに問題を抱えていて、感触が良くなかった」と説明し、「あれには本当に苦労しました。グラベルに突っ込んだのは明らかに不必要なことでしたが、クルマが止まらなくて本当に大変でした」と語った。
この一件について、チーム代表の小松礼雄は「ドライバーのミスと言うこともできますが、彼のブレーキングにおかしな部分はなかった。実際より見た目が悪く見えただけだと思います」と擁護し、次のように評価した。
「今日はブレーキに苦労していましたが、その問題を除けば、良い仕事をしていたと思います。フィードバックや仕事への取り組み方も良かったですし、本当に建設的でした」
平川は最終的に1分15秒298を記録し、17番手。オリバー・ベアマンとの差は0.701秒だった。
Courtesy Of Haas
ピットウォールからセッションを見守るハースの小松礼雄代表とエステバン・オコン、2025年5月30日(金) F1スペインGPフリー走行1(カタロニア・サーキット)
平川がVF-25をドライブするのは、4月のバーレーンGPでのFP1以来、2回目。アップグレードによりクルマはこの数戦の間に「遥かに改善」されたと平川は指摘した。
一方で、ブレーキだけでなく高い気温が災いし、タイヤのオーバーヒートを含めて「ドライビング中にマネジメントしなければならないことが本当にたくさんあって、それも本当に難しかったです」と語った。
ハースが平川に求めるのは、純粋なスピード以上に、マシン開発やセットアップ面での貢献だ。平川は、自身のフィードバックを通じてチームをサポートできたと手応えを語り、週末残りのセッションでも引き続きベストを尽くしていきたいと意気込みを見せた。
「引き続きデブリーフィングに参加して、改善に貢献したいと思っています。何かあった時に再び乗る可能性もゼロではないですし、ドライバー視点でチームに貢献できるよう頑張ります。仕事の80〜90%は終わったと思いますが、最後までベストを尽くします」
Courtesy Of Haas
カタロニア・サーキットでハースVF-25をドライブする平川亮、2025年5月30日(金) F1スペインGPフリー走行1
2025年F1スペインGPの初日FP2をトップで締め括ったのはオスカー・ピアストリ(マクラーレン)。2番手ジョージ・ラッセル(メルセデス)を0.367秒差で退けた。3番手にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が続く結果となった。
FP3は日本時間5月31日(土)19時30分から、公式予選は同23時から1時間に渡ってカタロニア・サーキットで開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。