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F1史上初のウェットナイトレースになった2017年の第14戦シンガポールGP、全20台中8台がリタイヤ、計3度のセーフティーカーが出動した。荒れたレースを制したのはメルセデスのルイス・ハミルトン。他の追随を許さない圧倒的な速さを見せ3連勝、チャンピオン争いのリードを28に広げた。規定周回数61を走り終える前に2時間が経過したため、レースはレギュレーションに基づき途中終了となった。
2位となったのはレッドブルのダニエル・リカルド、予選とは打って変わりメルセデスを脅かすような場面は一度も見せられなかった。車に問題を抱えていたとの情報もある。3位はバルテリ・ボッタス、スタート直後の混乱をくぐり抜け、チームに多くのポイントをもたらした。4位にはトロ・ロッソのカルロス・サインツ、F1での自身決勝最高位を更新した。今季限りでシートを喪失するルノーのジョリオン・パーマーは、6位となり2度目の入賞を果たした。
気温28度、路面34度のマリーナベイ市街地コースには、スタート前から雨が落ち、セッション中の降水確率は100%という波乱を予感させる状況でレースが始まった。コンディションの見極めが難しく、各車のタイヤ選択は分かれた。インターミディエイトを選択したのはフェラーリ、メルセデス、レッドブル、トロロッソの各二台とハースのグロージャン、他はフルウエットをチョイスしてレースに臨んだ。
案の定スタートは大混乱、好スタートを切ったキミ・ライコネンがマックス・フェルスタッペンを抜きにかかったものの両者が接触、連鎖的にポールのセバスチャン・ベッテルとポジションを大幅に上げていたフェルナンド・アロンソを巻き込む多重クラッシュが発生した。ベッテルを含むフェラーリ2台とフェルスタッペンの3台がリタイヤ、優勝候補3台がオープニングラップで姿を消した。
©F1
好スタートをみせポジションを大幅に上げたアロンソは、マシン左リアのフロアにダメージを負った。何とか走行を続けるも、ピットからのマシン監視が不可能な状態に陥り、結果9周目にリタイヤした。マクラーレン・ホンダの僚友ストフェル・バンドーンはキャリア最高の7位に入った。
フェルスタッペンはクラッシュの原因はベッテルにあるとの見解を示した。「セバスチャンが僕を左に追いやったんだ。たぶん彼にはキミが見えてなかったとは思うけど、それは言い訳にはならないよ。チャンピオン争いしてるんだから、あんなリスクは負うべきじゃないよ」
一時は表彰台まで後ひとつの4番手を走行していたルノーのニコ・ヒュルケンベルグは、トラブルのためにレース終盤に緊急ピットイン、残り14分のところでガレージにマシンを停める事になった。ヒュルケンベルグはF1出走129回にして一度も表彰台を獲得できておらず、不名誉な記録を更新した。
サインツが活躍した一方、ダニール・クビアトは11周目に壁に突き刺ささり2度目のセーフティーカーの原因を作った。ザウバーのマーカス・エリクソンは、38周目にリアからスピンして壁に激突、3度目のセーフティーカーを呼び込んだ。ハースのケビン・マグヌッセンは残り11分のところでエネルギー回生を司るMGU-Kが破損しレースを終えた。
2017年F1第14戦シンガポールGP決勝リザルト
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | Pts |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 58 | 2:03:23.544 | 25 |
2 | 3 | リカルド | レッドブル | 58 | +4.507 | 18 |
3 | 77 | ボッタス | メルセデス | 58 | +8.800 | 15 |
4 | 55 | サインツ | トロロッソ | 58 | +22.822 | 12 |
5 | 11 | ペレス | フォースインディア | 58 | +25.359 | 10 |
6 | 30 | パーマー | ルノー | 58 | +27.259 | 8 |
7 | 2 | バンドーン | マクラーレン | 58 | +30.388 | 6 |
8 | 18 | ストロール | ウィリアムズ | 58 | +41.696 | 4 |
9 | 8 | グロージャン | ハース | 58 | +43.282 | 2 |
10 | 31 | オコン | フォースインディア | 58 | +44.795 | 1 |
11 | 19 | マッサ | ウィリアムズ | 58 | +46.536 | 0 |
12 | 94 | ウェーレイン | ザウバー | 56 | +2 laps | 0 |
NC | 20 | マグヌッセン | ハース | 50 | DNF | 0 |
NC | 27 | ヒュルケンベルグ | ルノー | 48 | DNF | 0 |
NC | 9 | エリクソン | ザウバー | 35 | DNF | 0 |
NC | 26 | クビアト | トロロッソ | 10 | DNF | 0 |
NC | 14 | アロンソ | マクラーレン | 8 | DNF | 0 |
NC | 5 | ベッテル | フェラーリ | 0 | DNF | 0 |
NC | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 0 | DNF | 0 |
NC | 7 | ライコネン | フェラーリ | 0 | DNF | 0 |
コンディション
天気 | 雨 |
---|---|
気温 | 28℃ |
路面温度 | 33℃ |
周回数 | 58 |
セッション概要
グランプリ名 | F1シンガポールGP |
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レース種別 | 決勝 |
レース開始日時 |
サーキット
名称 | マリーナベイ市街地コース |
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設立 | 2008年 |
全長 | 4940m |
コーナー数 | 19 |
周回方向 | 反時計回り |