ピットレーンに並ぶF1マシン、2025年4月19日(土) F1サウジアラビアGP予選(ジェッダ市街地コース)
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

F1サウジアラビアGP決勝直前情報: タイヤ戦略考と天気、スターティンググリッド

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日本時間4月20日(日)26時にスタートを迎える2025年F1第5戦サウジアラビアGPのスターティング・グリッドが発表された。予選結果からの変動、予想されるタイヤ戦略と気象条件について見ていこう。

スターティンググリッド

今週末はジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)とリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)にそれぞれ、戒告処分が下されたが、グリッド降格につながるペナルティはなく、現時点では予選順位がそのままスターティンググリッドとなる見通しだ。

今季2度目のポールポジションに着くのはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。最前列2番グリッドにはオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が並ぶ。角田裕毅(レッドブル・レーシング)は4列目8番グリッドに着く。

以下は暫定スターティンググリッド。正式版との差異が発生した場合は更新される。予選結果からの変動値を合わせて記す。

Pos No Driver Team Qualifying
1 1 M.フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 1(-)
2 81 O.ピアストリ マクラーレン・メルセデス 2(-)
3 63 G.ラッセル メルセデス 3(-)
4 16 C.ルクレール フェラーリ 4(-)
5 12 A.K.アントネッリ メルセデス 5(-)
6 55 C.サインツ ウィリアムズ・メルセデス 6(-)
7 44 L.ハミルトン フェラーリ 7(-)
8 22 角田裕毅 レッドブル・ホンダRBPT 8(-)
9 10 P.ガスリー アルピーヌ・ルノー 9(-)
10 4 L.ノリス マクラーレン・メルセデス 10(-)
11 23 A.アルボン ウィリアムズ・メルセデス 11(-)
12 30 L.ローソン レーシングブルズ・ホンダRBPT 12(-)
13 14 F.アロンソ アストンマーチン・メルセデス 13(-)
14 6 I.ハジャー レーシングブルズ・ホンダRBPT 14(-)
15 87 O.ベアマン ハース・フェラーリ 15(-)
16 18 L.ストロール アストンマーチン・メルセデス 16(-)
17 7 J.ドゥーハン アルピーヌ・ルノー 17(-)
18 27 N.ヒュルケンベルグ ザウバー・フェラーリ 18(-)
19 31 E.オコン ハース・フェラーリ 19(-)
20 5 G.ボルトレート ザウバー・フェラーリ 20(-)

レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで完全生配信・生中継される。

最速タイヤ戦略―依然1ストップが濃厚

昨年のサウジアラビアGPでは、ランス・ストロール(アストンマーチン)のクラッシュにより6周目にセーフティーカー(SC)が導入され、大半のドライバーがこのタイミングでピットイン。これにより戦略は事実上1ストップに固定され、バリエーションが失われた。

こうした状況を踏まえ、ピレリは今年、昨年よりも一段階柔らかいコンパウンド──C3、C4、C5を持ち込んだ。これは2ストップ戦略を促す意図によるものだが、各コンパウンドのデグラデーションは依然として低く、現実的には今回も1ストップ戦略が主流になる見通しだ。

ジェッダ市街地コースはオーバーテイクが難しいため、ピットストップの回数を最小限に抑える戦略が有利に働く傾向にある。

ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラによると、理論上の最速タイヤストラテジーは「ミディアム→ハード」の1ストッパー。ピットインのタイミングは14〜20周目が見込まれるが、デグが低いためアンダーカットの効果は小さく、これに固執する必要性は薄い。

一方、グリッド後方からスタートするドライバーにとっては、ハードで第1スティントを長く引っ張り、上位勢がピットインした隙にポジションを上げていく「逆張り戦略(ハード→ミディアム)」も有効な選択肢となる。また、よりアグレッシブに攻めるのであれば「ソフト→ハード」も選択肢の一つとなる。

1ストッパーが有力視される一方で、20台中15台がハードを2セットを温存しているのは何故か。その理由は2つ。まず1つ目は、毎年例外なく導入されるSCに備えるため。2つ目は、デグラデーションが著しい場合に備えて予備を確保するためと見られている。

とはいえ、ピレリのシミュレーションによれば、1ストップと2ストップ戦略の想定タイム差は約5秒と比較的僅差であるため、通常の戦略ではポイント獲得が難しい中団〜後方勢の中には、「ソフト→ハード→ハード」といった賭けの戦略に打って出るドライバーもいるかもしれない。

天候は”スパイス”にならずか

日曜の現地ジェッダは1日を通して晴天に恵まれる予報で、決勝スタート時刻の気温は32℃前後。風も穏やかで、天候がレース展開に影響を及ぼす可能性は低い。

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