アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーと角田裕毅、2021年11月4日F1メキシコGPの舞台エルマノス・ロドリゲス・サーキットのスタジアムセクションにて
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ピエール・ガスリー、自信つけ始めた角田裕毅は「チームにとっても好ましい」AT02向きのインテルラゴスで2年前の再現狙う

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アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーが前戦メキシコGPを振り返りつつ、インテルラゴス・サーキットで開催される2021年FIA-F1世界選手権第19戦サンパウロGPに先立って抱負を語った。

ガスリーは先日行われたエルマノス・ロドリゲスでの71周のレースで、5番グリッドという好位置を最大限に活かして4位フィニッシュを飾った。ファエンツァのチームとしては、ミナルディと呼ばれていた1991年のジャンニ・モルビデリによる7位を更新するこのサーキットでの最高成績だった。

「メキシコGPでは今シーズン3回目の4位入賞を果たしてコンストラクターズ選手権5位に並ぶ事ができた。本当に強い週末だった」とガスリーは語る。

「チームの誰もがこの結果を得るために懸命に働いた。僕の前でフィニッシュしたのはレッドブルの2台とルイスだけだった」

「金曜日の時点からペースは良く、予選では上位2チーム4台の後ろという”ベスト・オブ・レスト”の位置につける事ができた」

フェラーリを抑えて走るアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー、2021年11月7日F1メキシコGP決勝レースにてCourtesy Of Red Bull Content Pool

フェラーリを抑えて走るアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー、2021年11月7日F1メキシコGP決勝レースにて

予選でミッドフィールド最上位となる5番手を獲得したのは、チームメイトの角田裕毅がQ3へと進出し、ホームストレートでスリップストリームを与えた事も大きな要因だった。

日本人ルーキーはトルコGPから3戦連続となるQ3進出を果たすなど、シーズン終盤に向けて急速に自信を持ち始めており、ガスリーはそんなチームメイトの成長を頼もしく感じている。

ガスリーは「ユーキが自信をつけ始めているのは彼にとってというだけでなく、チームにとっても好ましい事だよ。予選では僕にトウをくれる最高のサポートをしてくれた」と指摘した。

「コンストラクターズランキング5位に並んだ事で、チーム全員がモチベーションを高めている。それにメキシコGPでの好結果が刺激になって、僕ら向きのブラジルのコースで更にハードにプッシュしていこうと誰もがやる気に満ちている」

アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーと角田裕毅、2021年7月15日F1イギリスGPにてCourtesy Of Red Bull Content Pool

アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーと角田裕毅、2021年7月15日F1イギリスGPにて

ガスリーにとってインテルラゴスはF1キャリアにおける極めて特別な場所だ。

2019年の前回大会でガスリーは6番グリッドからスタートし、バルテリ・ボッタス(メルセデス)とフェラーリの2台が戦線を離脱すると残り6周で4位に浮上した。

その後のリスタートでルイス・ハミルトン(メルセデス)とアレックス・アルボン(レッドブル・ホンダ)が接触。残り2周で2番手に上り詰めたが、ハミルトンはファイナルラップでガスリーを射程に捉え、最終コーナーで真横に並んだ。

フィニッシュラインまではエンジンパワー勝負だった。ガスリーは上り坂のエンジン全開区間で鼻先1つ前に出ると、白熱のドラッグレースを制して2位でチェッカーフラッグを受けた。ハミルトンとは1000分の62秒という僅差で、キャリア初の表彰台となった。

初の表彰台を獲得して胴上げされるトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリー、2019年F1ブラジルGP決勝レースにてCourtesy Of Red Bull Content Pool

初の表彰台を獲得して胴上げされるトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリー、2019年F1ブラジルGP決勝レースにて

「前回、ブラジルに行ったのは2019年だった。僕は2位フィニッシュした。僕にとってのF1での初めての表彰台だった」とガスリーは2年前のレースを振り返った。

「 最終コーナーからルイスとのスプリント勝負で競り勝った事を思うと、本当に大きな出来事だった」

「またあの時のような素晴らしい思い出を再現できればと思っているし、表彰台に立ったことのある場所に戻るのは胸がワクワクする」

「反時計回りのインテルラゴスはストレートが真っ直ぐじゃないし本当に慌ただしい。コックピットの中では常に何某かの操作に追われる事になる」

「コースそのものは本当にテクニカルで、毎回凄く楽しんでドライブしている。クルマとパワーユニット的には楽じゃないし、チャレンジングな週末にはるはずだ」


インテルラゴス・サーキットは前戦エルマノス・ロドリゲスと同じ様に高地に位置するが標高は約800mと1500mほど低く、メキシコGPに比べればダウンフォースやパワーユニット、冷却への影響は限定的だ。

”ブラジルGP”の名称で開催された一昨年のグランプリでは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンがキャリア初のポール・トゥ・ウインを飾り、2位にトロロッソのピエール・ガスリーが続くホンダ1-2という結果となった。

F1サンパウロGPは、日本時間11月12日(金)24時30分からのフリー走行1で幕を開ける。

F1サンパウロGP特集