2位表彰台を獲得したマックス・フェルスタッペンを祝福するレッドブル・ホンダの面々、2020年F1ロシアGP決勝後のパルクフェルメにて
copyright Red Bull Content Pool

ホンダF1、PUへの懸念払拭する4台入賞「トラブル続きであっただけに余計に嬉しい」と田辺TD

  • Published:

ホンダF1は9月27日(日)に行われたF1第10戦ロシアGP決勝で、レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンの2位表彰台を含め、ホンダ製F1パワーユニット「RA620H」を搭載する全4台が入賞を果たした。

これは2019年のモナコGP以来となる全車ポイント獲得であり、フェルスタッペンの表彰台登壇によってホンダは、2015年のF1復帰以来のポディウム獲得回数が第三期F1活動の19回を超える20回に達した。

モンツァとムジェロの2戦連続でパワーユニットにトラブルを抱えただけに、この日の結果は現場統括責任者にとってホッと一息つく励みのリザルトとなったようだ。レースを振り返った田辺豊治テクニカル・ディレクターは「過去数戦で信頼性にトラブルを抱えていただけに、取り分け満足のいく結果となりました」と胸の内を語った。

順位 ドライバー チーム タイム
2 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 53 +7.729s 18
8 ダニール・クビアト アルファタウリ・ホンダ 53 +68.740s 4
9 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 53 +89.766s 2
10 アレックス・アルボン レッドブル・ホンダ 53 +97.860s 1

渾身の走りでフロントロー2番手を手にしたフェルスタッペンは、埃っぽい偶数側グリッドからのスタートという事で、スタート直後に若干失速し、ターン2を過ぎた所で4番手にまでポジションを落とすも、すかさずダニエル・リカルド(ルノー)を交わして3番手に挽回した。

ギアボックス交換のために15番手からスタートしたアレックス・アルボンは、カルロス・サインツ(マクラーレン)とランス・ストロール(レーシングポイント)の相次ぐクラッシュにより導入された1周目のセーフティーカーのタイミングでピットイン。ハードタイヤに履き替えた。

レース再開後、ハードタイヤでスタートして第1スティントを引っ張ったクビアトは一時3番手を走行。30周目にミディアムタイヤに履き替えると8番手でコースに復帰し、ポジションを守り抜いて母国レースを堂々の8位でフィニッシュした。

ポールシッターのルイス・ハミルトンが10秒ペナルティーを受けた事でフェルスタッペンは2番手に浮上。巻き返してきたハミルトンに対して15秒のマージンを保ち、レッドブル・レーシングにとってロシアGPでの初表彰台となる2位でチェッカーフラッグを受けた。

9番手を走行していたピエール・ガスリーは、43周目のバーチャル・セーフティカー(VSC)を機にピットへと向かいミディアムタイヤに交換。VSCが予定外に早く解除されたために2ポジションダウンの11番手でコースに復帰したが、コース上でランド・ノリスとアレックス・アルボンの2台を抜き去り、9位でフィニッシュした。

アルボンは27周目にピットへ入り、ミディアムタイヤを履く2ストップ作戦を採用。一時は最後尾を走っていたが、アントニオ・ジョヴィナッツィ(アルファロメオ)をターン13のアウト側から豪快にオーバーテイクするなど、見事な走りを見せて10位入賞を果たした。

ホンダ:F1ロシアGP決勝を終えて

田辺 豊治ホンダF1現場責任者

今日のロシアGPの決勝は、アストンマーチン・レッドブル・レーシングのフェルスタッペン選手がレース序盤から2番手をキープし、メルセデスの2台に割って入る2位表彰台を獲得しました。

チームメートのアルボン選手は15番手スタートと、簡単ではありませんでしたが、2ストップ戦略を着実に活かして、最後はポイント圏内の10位までポジションを上げるという力強いレースを見せてくれました。

スクーデリア・アルファタウリ・ホンダの2台も、スタート時の波乱を避けてクビアト選手が8位、ガスリー選手が9位と、2台揃って入賞を果たしてくれました。2人とも幾つものオーバーテイクを見せるなど、素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれました。

ホンダ勢は4台ともに完走を果たし、昨年のモナコGP以来となる全車入賞を果たしました。過去数戦のことを考えると、良い結果でレースを終われたと感じています。

これより欧州に戻り、1週間を空けて今度はドイツでのレースになります。ニュルブルリンクは現行レギュレーションでは初走行となりますので、シミュレーションなどで十分検討し、準備を整えて臨みたいと思います。


9月27日(日)にソチ・オートドロームで行われた2020年F1第10戦ロシアグランプリ決勝レースでは、3番グリッドからスタートしたバルテリ・ボッタス(メルセデス)が通算9勝目を上げて優勝し、2位にマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)、3位に表彰台にはルイス・ハミルトンが続く結果となった。

F1ロシアGP特集