ルノーのダニエル・リカルド、2019年F1ブラジルGP木曜プレスカンファレンスにて
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ダニエル・リカルド、”本命”はマクラーレンではなくフェラーリだった

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今シーズン末を以てルノーからマクラーレンへと移籍するダニエル・リカルドは、ウォーキングのチームとの契約を締結する前に、スクーデリア・フェラーリとも話し合いの場を持っていた事を明らかにし、こちらが本命であった事を暗に認めた。

ロックダウン下で突如勃発した跳馬シート争いは、カルロス・サインツがセバスチャン・ベッテルの後任の座を射止める形で幕を下ろしたわけだが、リカルドはCNNとのインタビューの中で、レッドブル時代から今に至るまでフェラーリと継続的に話し合いを続けていた事を認めた。

父ジュゼッペはイタリア南部のフィカッラ生まれ。母グレースはオーストラリア生まれだが、両親はイタリア・カラブリア州からの移民であり、リカルドのルーツはイタリアにある。血筋的な相性は抜群だが、マラネロはシャルル・ルクレールのチームメイトにスペイン人ドライバーを選んだ。

リカルドは「カルロスが如何にフェラーリにフィットしているかは理解出来るから、”なぜ僕じゃないんだ”というような見方はしない」と述べ、意図せず本命がフェラーリであった事を認めた。交渉が実を結ばなかった理由については「よく分からない。深く掘り下げたいとは思ってないし。僕の名前とバックグラウンドを考えれば相性バッチリ、って皆は言うけどね」と答えた。

同額維持は困難であろうが、日本円にして約40億円とも噂される巨額の契約を更新するという選択肢もあったはずだが、リカルドはエンストンのチームを去りマクラーレンへと移籍する事を選んだ。リカルドを中長期的なチームの柱として位置付けていたルノーにとっては大きな痛手だ。

何故リカルドはマクラーレンを選んだのか? パースの農場で隔離生活を続ける30歳のオーストラリア人ドライバーは、何か明確な理由や要因があったわけではないとして「白黒ハッキリした答えは出せない」と語った。