ダニエル・リカルド、激戦ゆえのピエールへの謝罪「必死」のレースで期待以上の成果…”運命の会合”に向けて自信回復へ
過去3戦で2度目となるポイントを獲得したF1オーストリアGPを経てダニエル・リカルド(RBフォーミュラ1)は、レース後に「ピエールに謝った」と明かした。ピエール・ガスリー(アルピーヌ)のことではない。
ヘルムート・マルコがシーズン途中でのドライバー交代を匂わせた週末、リカルドはF1キャリア通算250戦目の節目を9位入賞で締め括り、コンストラクターズ選手権争いで貴重な2ポイントをチームに持ち帰った。
71周のレースを経て、ポイント争いは本当に激戦でしたね? と尋ねられたリカルドは「激戦? 確かにそうだね! レース後、ピエールに謝ったんだ。今日はあまり話せなくてごめん、ってね!」と笑った。
アルピーヌの2台からポジションを守るのに「必死」であったため、リカルドはレースエンジニアを務めるピエール・ハムリンからの問いかけを殆ど無視せざるを得なかったという。
「集中しっぱなしでホント、大変だったんだよ。今日は守りに徹していたからミラーばかり気にしていた。終盤はポイントにしがみつくために必死だった」とリカルドは語る。
「最後の数周は多分、タイヤが駄目になりつつあったけど、マグヌッセンのDRSがあったから少しはペースがあったかもしれない。でも大半のスティントでは、あの集団の中でそれほど速くはなかったから、かろうじて踏み留まるような感じだったんだ!」
「チームは戦略で上手くやってくれたと思う。2セットのハードタイヤをうまく使って早めにピットインしたことで、アルピーヌの前のポジションを確保できた。これが鍵になった。最後はクリーンラップを走れたし。ミディアムを履いたガスリーは本当に速かった」
「今日は本当に激戦だったけど、ダメージを最小限に抑えてポイントを獲得できたし、いい週末だったと思う」
RBのピーター・バイエルCEOは、ベルギーGP後の4週間に渡るサマーブレイク中に、リカルドとリアム・ローソンのいずれが角田裕毅のチームメイトに相応しいドライバーを話し合う予定だと明かした。
首脳会談までに自身の存在意義を示せるチャンスは残り3戦。シングルラップでのベストリザルトで言えば角田裕毅を凌ぎ、課題であった一貫性についても徐々に調子を取り戻しつつある中、レッドブル・リンクでの週末はリカルドにとってどのような意味を持つのだろうか?
「こうして振り返ってみると、ここ3戦は確実に良くなってきてる。レースを終えて、ほぼすべてを出し切ったって感じることができた」とリカルドは語る。
「もちろん、いつだってもっと改善できる部分はあるけどね(笑) それでも全体としては、殆どのタスクを達成できたと感じているし、笑顔でパドックを後にできる! この後もこの調子でいきたい」
「トラブルなくレースをしてチームのために戦ってポイントを持ち帰れて本当に気持ちがいい」
「内心、ペース的に言えば今日はポイント獲得に至らなかったかも、って思うところがあるから(笑)、ある意味、幾つかの部分では期待以上の成果を上げられたとも感じてる。我ながらよくやった、って言っても良いのかもね」