2015年F1レギュレーション
2015年のF1レギュレーション一覧
大幅なレギュレーション変更があった2014年、多くの混乱と議論が巻き起こった。このため2015年のレギュレーションはそれに対する試行錯誤であるといえる。
- 不評だったシーズン最終戦のダブルポイント制の廃止
- スタンディング・リスタートの見送り
- 段差ノーズの廃止
- バーチャルセーフティカー制度の開始
- レース中断時の再スタートはピットレーンから
- パワーユニット・ペナルティにおける次戦持ち越しの廃止
- 最低重量の引き上げ(燃料を含まない状態で702kg)
- 23年ぶりとなるメキシコGPの復活
シーズン最終戦のダブルポイント制の廃止
2014年に導入された、シーズン最終戦限定で獲得ポイントを2倍とするダブルポイントシステムが廃止される。バーニー・エクレストン主導によりチャンピオンシップの戦いを盛り上げるために導入されたわけだが、不評過ぎて1年で消滅することになった。
スタンディング・リスタートの見送り
2014年冒頭に15年レギュレーションとして決定されたセーフティカー後のリスタートをスタンディングスタートにする案だが、ドライバーからの安全性についての懸念の声があがったこともあり、15年レギュレーションでは見送られることになった。懸念の内容としては、レーススタート時と異なり、すり減って危険な状態のタイヤでリスタートしなければならない状況が発生しうるため、スムーズにリスタートを行えるマシンとそうでないマシンが接触する可能性が極めて高い、といったものであり、至極妥当である。
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段差ノーズの廃止
2014年のレギュレーションでは、フロントウイングのノーズを低くさせるように仕向ける規定があったため、各コンストラクターは実にユニークなノーズデザインを採用することを迫られたわけだが、その見た目の醜さが不評を買ってしまったため、15年レギュレーションではこういった醜いノーズとはならないようにレギュレーションを変更する。ノーズの変更は2015年F1マシンの外見上の最大の変化となるだろう。
ノーズの変更はマシンフロントのダウンフォースを低下させてしまうため、各チームがこの低下分をどのようにして補ってくるのかが注目だ。
creativeCommonsHammerhead27
バーチャルセーフティカー制度の開始
2014年のF1日本GPでのジュール・ビアンキの大事故を受け検討されてきた、イエローフラッグ区間における各マシンの速度をコントロールするための方法の一つであるバーチャル・セーフティーカーシステムが採用される。これは、マシンに搭載されたGPSデータから算出された速度データを監視することで速度制限を行うものである。制限速度以上で走行した場合ペナルティの対象となる。
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レース中断時の再スタートはピットレーンから
赤旗によるレース中断の場合、これまではスターティンググリッドに各車が戻る形であったが、ピットレーンに戻りピット出口まで進んだ上で一列に並ぶことが決定。
パワーユニット・ペナルティにおける次戦持ち越しの廃止
14年シーズンは、PUの規定交換可能回数を上回る交換の際はグリッド降格ペナルティが科されたものの、グリッドが後方すぎてペナルティーの降格分を消化できなかった場合には消化できなかった分を次戦に持ち越しての適用であったが、15年シーズンではタイムペナルティの形でそのレースの間に適用される。
最低重量の引き上げ
マシンの最低重量が12kg引き上げられて燃料を含まない状態で702kgとなる。一般的に10kg重量が増えると1周あたり約0.1秒遅くなるため、体重の重いドライバーは最低重量の引き上げをかねてから希望していたわけだが、15年シーズンはこれが一部認められた形となる。
23年ぶりとなるメキシコGPの復活
歴史に名を刻んだ1990年のナイジェル・マンセル対ゲルハルト・ベルガーの激しいオーバーテイク合戦が行われたメキシコGPが復活する。