角田裕毅、F1シート喪失で2026年リザーブに…後任ハジャーは”負の歴史”を打ち破れるか。VCARBはリンブラッド抜擢

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レッドブル・グループは最終戦アブダビGPを週末に控えた12月2日(火)、2026年シーズンのF1ドライバーラインナップを正式発表した。懸念されていた通り、角田裕毅の名前はレギュラードライバーのリストから外れ、5年間守り抜いたF1グリッドから退くことが決定した。

来季、4度のF1王者マックス・フェルスタッペンは、直近3年で4人目のチームメイトを迎えることになる。レッドブル・レーシングは、姉妹チームのレーシング・ブルズ(VCARB)で鮮烈なルーキーイヤーを過ごす21歳のアイザック・ハジャーの昇格を発表した。

一方、VCARBはリアム・ローソンの残留に加え、レッドブル・ジュニアチームの新星、18歳のアーヴィッド・リンブラッドを起用することを明らかにした。

何がハジャーの早期昇格をもたらしたのか

表彰台で歓喜する3位アイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)、2025年8月31日(日) F1オランダGP決勝(ザントフォールト・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

表彰台で歓喜する3位アイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)、2025年8月31日(日) F1オランダGP決勝(ザントフォールト・サーキット)

角田は直近のカタールGPで行われたスプリント予選で、予選形式として初めてフェルスタッペンを上回る速さを見せた。だが、チーム側のミスや失態、旧スペックのパーツを強いられる不利な状況といった事情を考慮しても、シーズンを通した一貫性不足は否めなかった。

フェルスタッペンが7勝を挙げ396ポイントを獲得する一方、角田は最高位6位、33ポイントに留まっている。一方、角田と入れ替わる形で開幕2戦を経て降格したローソンは、現在角田より5ポイント多く獲得しており、カタールGPでも9位入賞を果たした。

レッドブルの来季シート選考において決定打となったのは、ハジャーの躍進だ。開幕戦オーストラリアGPのフォーメーションラップでスピンアウトするという最悪のスタートを切ったハジャーだが、そこから驚異的な挽回を見せた。

オランダGPでの初表彰台(3位)を含め51ポイントを獲得。チームメイトのローソンに対し、予選で22勝5敗、平均0.186秒の差をつける印象的なパフォーマンスを披露した。レッドブルのローラン・メキーズ代表は「アイザックはこのスポーツにおける第一の要件である『純粋な速さ』を示した」と語った。

ハジャーへの評価は高く、角田の降格は長らく避けられない状況だった。しかしながら、デビューわずか1シーズンでトップチームへ昇格させる決断が本当に正しいのかどうか、来年レッドブルは厳しい目に晒されることになる。

レッドブルは、速すぎる昇格により若手のキャリアを繰り返し損ねてきた歴史がある。ピエール・ガスリーやアレックス・アルボン、ローソンらと同じようにハジャーがフェルスタッペンの隣で前任者たちと同じ道を辿るようなことがあれば、レッドブルのドライバーマネジメントに改めて批判が集まることになるだろう。

12歳でマルコを驚愕させた新星、リンブラッド

シルバーストン・サーキットでのFIA-F3選手権第7戦でダブル優勝を果たしたアーヴィッド・リンブラッド、2024年7月5日(金)~7日(日)Courtesy Of Red Bull Content Pool

シルバーストン・サーキットでのFIA-F3選手権第7戦でダブル優勝を果たしたアーヴィッド・リンブラッド、2024年7月5日(金)~7日(日)

新たにVCARBのシートを掴んだリンブラッドは、イギリスとスウェーデンの二重国籍を持つ18歳の若き才能だ。レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、彼との出会いをこう振り返る。

「最初に彼に会ったのはポルティマオだった。彼と父親に会ったんだが、会話を主導していたのは当時12歳だったアーヴィッドの方だった。普通ではない。彼は明確なビジョンと、それを達成する方法を持っていた」

F1マシンのステアリングを握ったリンブラッドは、さらにマルコの期待を高めた。10月のメキシコGPのFP1ではRB21をドライブし、レギュラー勢以外で最速となる6番手タイムを記録。マシンスペックや走行プログラムの違いこそあれど、角田を0.093秒上回るパフォーマンスを発揮した。

一方、サウジアラビアのスプリントでは17歳243日でF2史上最年少ウィナーに輝いた。ただ、シーズンを通して浮き沈みが激しく、アブダビでの2レースを残してランキング6位にとどまっており、パドックではその評価が定まらないドライバーでもある。

「2026年は大きな挑戦になるだろうし、学ぶことも多いけど、チームと一緒に進んでいく準備はできている」とリンブラッドは意気込む。

角田はテスト兼リザーブドライバーへ

ガレージからアーヴィッド・リンブラッドの走行を見守る角田裕毅(レッドブル・レーシング)、2025年7月4日F1イギリスGP フリー走行1(シルバーストン・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

ガレージからアーヴィッド・リンブラッドの走行を見守る角田裕毅(レッドブル・レーシング)、2025年7月4日F1イギリスGP フリー走行1(シルバーストン・サーキット)

レースシートこそ失う形となった角田だが、レッドブル・ファミリーを離れるわけではない。レッドブルは、角田が2026年に「テスト兼リザーブドライバー」を務めることを併せて発表した。

レッドブルの契約構造上、角田はレッドブルおよびVCARBの4名のドライバーのいずれかが週末に出走できない事態となった場合、代役を務めることになる。

VCARB時代においても、チーム代表として角田と共に仕事をしたメキーズは、角田がレッドブル・ファミリーで過ごした時間と、ドライバーとしての進化を高く評価した。

「F1でこれまで積み重ねた5シーズンの中で、ユーキは予選での一発の速さも、決勝での鋭いスタートと駆け引きも持ち合わせた、完成度の高いレーサーへ成長した」

技術規則が刷新される2026年の重要な開発局面において、角田の経験と能力は依然として必要とされている。

メキーズは「貴重な支えになってくれると確信している」と期待を寄せつつ、角田の人柄を強調した。

「F1に関わる誰もが、ユーキを嫌うなんて無理だと認めるはずだ。彼の人柄はまわりに伝染するように明るく、レッドブルファミリーにとってかけがえのない存在になった。これまでの貢献に心から感謝したい」

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