予算超過に関するABA締結を経てメキシコシティで会見に臨んだレッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表、2022年10月28日F1メキシコGP
Courtesy Of Red Bull Content Pool

予算違反処分のレッドブル、罰則による影響は0.5秒相当と主張…車体開発で大打撃か

  • Published:

2021年の予算超過に対する開発制限についてレッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は、最大で1周あたり0.5秒のラップタイムを失う可能性がある程に「極めて厳しい」ペナルティだとの認識を示した。

昨年度のコストキャップを186万4000ポンド(約3億1922万円)、率にして1.6%超過したことでレッドブルは国際自動車連盟(FIA)との間で「違反是認(ABA)」を締結し、700万ドルの罰金と、今後12ヶ月間の空力テスト時間10%減を受け入れた。

罰則発表に先立っては、ライバルチームから厳しいペナルティを科す事を求める意見が相次いだ。当初は25%減のテスト制限が科されるとも取り沙汰されていたが、実際には10%に留まった。

この「10%」をどう評価すべきかについては意見が分かれるところだが、ホーナーはメキシコGPのFP1を前に行われた会見の中で「非常に厳しい」との認識を示し、コンマ5秒に相当し得るものだと主張した。

「我々は金銭的にもスポーツ的にも重大なペナルティを受ける事となった。30日以内に支払わなければならない700万ドルという金額は膨大だが、極めて厳しいのは競技的な罰則の方だ。これは風洞と空力ツールの利用が10%削減されるというものだ」

「これに関して、何人かの人間が今日、些細だと報告したようだが、これは膨大な数字だ。ラップタイムに換算すると0.25秒から0.5秒に相当する」

予算超過に関して記者会見を開いたレッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表、2022年10月28日F1メキシコGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

予算超過に関して記者会見を開いたレッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表、2022年10月28日F1メキシコGP

F1は今年、史上最大とも言われる大幅なレギュレーション改定を行った。グランドエフェクトカーに関する開発はまだ始まったばかりであるため、空力及びCFDテストから得られるであろうアドバンテージは大きい。

ホーナーは導入されたばかりの技術規定に触れて「マシン開発は依然として急ピッチで進むだろう」とした上で、テスト制限によるパフォーマンスへの影響は「重大」で、2023・24年シーズンに影響が及ぶ事は避けられないとの考えを示した。

「これはハンディキャップだ。我々は今後、途方もなく懸命に働かなければならなくなる。これはライバルチームに有利に働く。だからこそ、彼らは厳しいペナルティを要求していたのだ」

レッドブル、13項目で計上漏れ

レッドブルは2022年のコンストラクターズ選手権を制覇したため、ランキング7位のチームが許可される風洞・CFD稼働時間の70%に制限されるが、これが予算違反に伴い63%(70% x (1-0.1) )にまで削減される。

なおランキング2位のチームは75%、ランキング3位は80%に制限される。

F1メキシコGP特集