蘇るフェルスタッペン「チャッキーって呼んで!」まさにホラー映画級、2021年とは違う”リラックス”で逆転最終決戦へ

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マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は2025年F1第23戦カタールGPで逆転勝利をつかみ、チャンピオンシップにおける歴史的な大逆転に向けて、ランキング首位ランド・ノリス(マクラーレン)との差を12ポイントにまで縮めた。

8月のオランダGP終了時点で首位から104ポイントもの大差で離され、チームも本人も白旗を上げていたにもかかわらず、終盤に向けて4度のワールドチャンピオンはしぶとく蘇り、気付けばタイトル争いの主役に復帰した。

マクラーレンを恐怖に陥れる「チャッキー」

最終戦アブダビGPを前に、フェルスタッペンはどこか不気味な余裕を漂わせている。

マクラーレンのザク・ブラウンCEOは週末を前に、フェルスタッペンのしぶとさを「死んだと思っても蘇ってくるホラー映画の男のようだ」と評していた。その言葉は、予選3番手から勝利をさらった日曜のレースで現実となった。

レース後の会見でこの発言について問われたフェルスタッペンは、名作ホラー映画『チャイルド・プレイ』の不死身の人形を引き合いに出した。

「僕のこと『チャッキー』って呼んでくれていいよ!」

フェルスタッペンはニヤリと笑う。

「僕も(そのコメントを)見たけど、あれはかなり面白かったね。僕としては自分の仕事に集中するだけだ。クルマに乗ればベストを尽くす。僕がコントロールできるのはそこだけだし、意識しているのもそこだけさ」

「面白い動き」ライバルの自滅

レースの勝敗を分けたのは7周目のセーフティーカー導入時だった。レッドブルは迷わずフェルスタッペンをピットインさせたが、首位を走行していたオスカー・ピアストリと3番手ノリスのマクラーレン勢はステイアウトを選んだ。

フェルスタッペンはこの瞬間、すでに勝利を予感していた。

「あれは面白い動きだな、って感じだった。もちろん、あの時点で僕らはリードを得ることになったけど、ここはタイヤの摩耗が激しいから25周持たせる必要があった」

「ピット作業中は、リリースで問題が出ないようにとか、色々集中しなきゃならないから、(ピットインしなかったマクラーレンのことは)ピットストップを終えた後に、なんで入らないんだ?って少し驚いた。で、“これはレースに勝つ絶好のチャンスだ”って思ったんだ」

「負けることなんて考えない。頭にあるのは“どうやって勝つか”だけだ」

2021年とは違う「リラックス」した最終戦

次戦アブダビGPでノリスを逆転するには、最低でも優勝が求められる状況だ。最終戦での決戦は、ルイス・ハミルトンと激闘を演じた2021年以来。プレッシャーはあるのか? フェルスタッペンは首を横に振る。

「いや、(2021年と比べて)今の方がずっとリラックスしてる。12ポイント差で負けてることは分かってる。ただポジティブなエネルギーを持って臨み、できる限りを尽くすだけだ」

「同時に、タイトルを獲れなくても、素晴らしいシーズンを歩めたって実感がある。それがプレッシャーを取り除いてくれるんだ。今日はただ楽しんで走れたし、“どうなるか見てみよう”って気持ちでスタートした。一旦クルマに乗り込めば、全力でやるだけなのはいつも同じだ」

純粋な速さではマクラーレンに分があることを認めつつも、フェルスタッペンは不確実性に期待を寄せる。

「アブダビでもそうするつもりだけど、同時に、タイトルに挑むには外的な要素に頼る必要があるのも分かってる。でも今日みたいに、退屈で単調に見えるレースでも実際はそうじゃないこともある。だからアブダビも似た展開になればって思ってる」

ホラー映画の悪役は、エンドロールが流れ切るまで決して倒れない。アブダビの夜、F1界の”チャッキー”は最後の驚きを仕掛けてくるかもしれない。


2025年F1第23戦カタールGP決勝では、2番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今季7勝目を上げた。2位はオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、3位表彰台にはカルロス・サインツ(ウィリアムズ)が滑り込んだ。

ヤス・マリーナ・サーキットを舞台とする次戦最終アブダビGPは、12月5日のフリー走行1で幕を開ける。

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