決勝レースを前にグリッドへ向かうセルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング)、2023年10月8日(日) F1カタールGP(ロサイル・インターナショナル・サーキット)
Courtesy Of Red Bull Content Pool

セルジオ・ペレスの不振を切実に受け止めるレッドブル、4レースで僅か5点…”ショッキング”なF1カタールGP

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レッドブルは「ショッキングなレース」となったF1カタールGPを経てセルジオ・ペレスの不振を切実に受け止めている。クリスチャン・ホーナー代表は、このままではドライバーズ・ランキング3位への陥落の恐れがあるため「腰を据えて話し合う必要があると切に考えている」と語る。

ペレスの負のスパイラルはアジアから中東へと舞台を変えても収束する事はなかった。土曜のスプリントではレーシングアクシデントと見なされた多重クラッシュの犠牲となり、シャシーに修復不能のダメージを負った事が引き金となって日曜のレースではピットレーンスタートを余儀なくされた。

ジョージ・ラッセル(メルセデスAMGペトロナスF1チーム)をリードするセルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング)、2023年10月8日(日) F1カタールGP(ロサイル・インターナショナル・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

ジョージ・ラッセル(メルセデスAMGペトロナスF1チーム)をリードするセルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング)、2023年10月8日(日) F1カタールGP(ロサイル・インターナショナル・サーキット)

レースでは6回のトラックリミット違反により3度に渡って5秒ペナルティを科され、10位入賞で1ポイントを稼ぐのが精一杯だった。シンガポールGP以降のスプリント1戦、決勝3戦の計4レースでペレスが手にしたポイントは僅か5点に過ぎない。

相次いだ走路外走行についてペレスは「もっと上手くやるべきだったけど本当に難しかった。高速域でクルマをどの位置に置くのが判断するのが凄く大変だった。これについては他に言う事はない」と語った。

「幾つかやるべき事がある。明日からファクトリーで早速、チームと共に作業に取り組むつもりだ。これまでに追求してきた方向性と、改善すべき方向性について良いアイデアがあるんだ」

方向性を「かなり劇的」に変える必要があると予見しているのか?と問われるとペレスは「そうだ」と答えた。

ガレージでスプリントを見守るレッドブル・レーシングチーム代表のクリスチャン・ホーナー、2023年10月7日(土) F1カタールGP(ロサイル・インターナショナル・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

ガレージでスプリントを見守るレッドブル・レーシングチーム代表のクリスチャン・ホーナー、2023年10月7日(土) F1カタールGP(ロサイル・インターナショナル・サーキット)

ペレスについてホーナーは英「Sky Sports」とのインタビューの中で「チェコのレースは少しショッキングだった。酷い週末を過ごした。昨日はインシデントがあり、そして残念な事にレースでは3度に渡ってペナルティを受けた」と振り返った。

「チェコの実力については分かっている。今は本調子でない。腰を据えて話し合う必要があると切に考えている」

「我々としてはチャンピオンシップで2位をキープするために、チェコが本来の調子を取り戻すことがどうしても必要だ。確かにグリッド後方からのスタートではあったが、それでも今日は大幅に、あるいは十分にポイントを稼ぐチャンスがあったはずだ」

「我々はできる限り彼をサポートするつもりだ。この後には3連戦が控えている。スプリントレースもあり、ポイントは膨大にある」

唯一の慰めは、ドライバーズ選手権争いで後方から迫るルイス・ハミルトン(メルセデス)がリタイヤに終わった事だろうが、その差はシーズン残り5戦の現段階で30ポイントと、余裕はない。

ハミルトンはチェッカーを受けずにレースを終えたが、もう1台のメルセデスW14をドライブしたジョージ・ラッセルは、1周目のチームメイトとの接触事故により最後尾に転落するも、ペレスを上回る4位でフィニッシュした。

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