違反51件…F1カタールGPのトラックリミット「どうかしてる」批判の声続々、無違反者は1名のみ
約90分間に渡って行われた2023年のF1第18戦カタールGPでは、57周のレースの中で計51件のトラックリミット違反が記録された。概ね毎ラップで走路外走行があった計算だ。
前日とは打って変わり、この日はターン12での違反が14回と最も多く、全体の27.45%を占めた。またトラックリミットが発生したコーナーの数も前日の7箇所から9箇所へと増加した。
コーナー | 違反回数 | 割合 |
---|---|---|
12 | 14 | 27.45% |
5 | 9 | 17.65% |
4 | 7 | 13.73% |
15 | 7 | 13.73% |
13 | 4 | 7.84% |
2 | 4 | 7.84% |
1 | 3 | 5.88% |
16 | 2 | 3.92% |
14 | 1 | 1.96% |
チーム別で見るとアストンマーチンとウィリアムズがまたも上位に並んだ。前日に最多だったフェラーリはカルロス・サインツが欠場した事もあり10チームの中で最も少なく1件のみだった。
チーム | 違反回数 | 割合 |
---|---|---|
アルピーヌ・ルノー | 8 | 15.69% |
アストンマーチン・メルセデス | 8 | 15.69% |
ウィリアムズ・メルセデス | 8 | 15.69% |
レッドブル・ホンダRBPT | 6 | 11.76% |
アルファロメオ・フェラーリ | 5 | 9.80% |
マクラーレン・メルセデス | 5 | 9.80% |
アルファタウリ・ホンダRBPT | 4 | 7.84% |
ハース・フェラーリ | 3 | 5.88% |
メルセデス | 3 | 5.88% |
フェラーリ | 1 | 1.96% |
欠場のサインツと、数百メートルでリタイヤしたルイス・ハミルトン(メルセデス)を除けば、一度も違反がなかったのはポール・トゥ・ウインを飾ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)だけだった。
前日に続き上位に並んだランス・ストロール(アストンマーチン)は「目眩がして真っ暗になってクルマの中で意識を失いながら、トラックリミットでペナルティを受けるなんて馬鹿げてる」と述べ、2度に渡って5秒ペナルティを受け、9位入賞を剥奪された事については「どうでもいい」と吐き捨てた。
ドライバー | 違反回数 | 割合 |
---|---|---|
ピエール・ガスリー | 7 | 13.73% |
セルジオ・ペレス | 6 | 11.76% |
アレックス・アルボン | 5 | 9.80% |
ランス・ストロール | 5 | 9.80% |
フェルナンド・アロンソ | 3 | 5.88% |
ジョージ・ラッセル | 3 | 5.88% |
バルテリ・ボッタス | 3 | 5.88% |
リアム・ローソン | 3 | 5.88% |
ローガン・サージェント | 3 | 5.88% |
オスカー・ピアストリ | 3 | 5.88% |
周冠宇 | 2 | 3.92% |
ニコ・ヒュルケンベルグ | 2 | 3.92% |
ランド・ノリス | 2 | 3.92% |
エステバン・オコン | 1 | 1.96% |
ケビン・マグヌッセン | 1 | 1.96% |
シャルル・ルクレール | 1 | 1.96% |
角田裕毅 | 1 | 1.96% |
トラックリミットにより3度に渡って5秒ペナルティを受けたセルジオ・ペレス(レッドブル)は、コックピットからはリミットを超えているのかどうか判断がつかないため「ラップタイムを妥協してかなりのマージンを取らなきゃならなかった」と説明した。
そして、上手く対処したドライバーがいる以上「十分な仕事」ができなかったと認めつつも、ターン12・13の修正に触れて「土壇場になって解決策を持ってきてペナルティを科し始めるなんて本当に悪手だ」と批判した。
またシャルル・ルクレール(フェラーリ)は、F1におけるトラックリミットは「時速280kmで走行している最中の数cm」の差を巡る問題であり、予選でさえ遵守するのが難しいとした上で「レース終盤は兎に角、悪夢だった」と振り返った。
「現行のマシンは高速コーナーでかなり速く、おまけに今回は予選ラップを続けなきゃならないような状況で、しかもこの暑さの中で57周を通してGフォースに晒されるんだから。どうかしてるよ」