ホンダF1、復帰後初のエンジン降格ペナ「0」の快挙!2015年からのパワーユニット投入遍歴と2020年PU使用データ最終版

シーズン最終アブダビGPで記念撮影するホンダF1の現場チームcopyright Honda Motor Co., Ltd

ホンダF1が復帰後初めて、パワーユニット(PU)交換ペナルティなしにシーズンを乗り切った。2020年に一度もPU交換ペナなしに最終戦の決勝レースを迎えたのはホンダF1パワーユニットのみだった。

ホンダF1 2015~2020年PU使用データ

V6ハイブリッド導入から1年遅れとなる2015年にパワーユニットサプライヤーとしてF1に復帰したホンダは名門マクラーレンと提携するも、そのPUは信頼性を大きく欠き、最初の3年でのDNFは計37回にも達し、完走できるかは神のみぞ知るといった悲惨な3シーズンを過ごした。

だが、復帰から6年目を迎えた今年、ホンダは遂に規約違反なしにシーズンを締め括った。HRD-Sakuraでの絶え間ない開発とオペレーションの研鑽の表れの1つと言えよう。

メルセデス、フェラーリ、ルノーのライバルメーカー達がPU交換ペナルティで最後尾に沈むレースを経験した一方、「Honda RA620H」を搭載するレッドブル・レーシングとスクーデリア・アルファタウリの全4台は、規約で定められた基数内で17戦を戦い抜いた。

この成果についてホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは「過去に学び信頼性の向上を図った結果」と評した。

以下、2015年から2020年までのホンダPUの各コンポーネントの使用基数をまとめる。復帰初年度と、コンセプトを一新して臨んだ2017年の壊れっぷりが今となっては懐かしい。

Season レース数 Driver ICE TC MGU-H MGU-K ES CE
2015 19 J.バトンBUT
K.マグヌッセンMAG
12 11 11 8 4 7
F.アロンソALO 11 12 12 10 4 6
2016 21 F.アロンソALO
S.バンドーンVAN
8 9 9 7 7 7
J.バトンBUT 6 6 6 6 6 6
2017 20 F.アロンソALO 9 11 11 8 7 6
S.バンドーンVAN 10 12 12 9 7 7
2018 21 B.ハートレーHAR 8 8 8 7 3 4
P.ガスリーGAS 8 8 8 6 3 3
2019 21 D.クビアトKVY 7 7 7 6 3 3
A.アルボンALB
P.ガスリーGAS
7 5 5 5 3 3
M.フェルスタッペンVER 5 4 4 3 3 3
P.ガスリーGAS
A.アルボンALB
5 5 5 4 3 3
2020 17 D.クビアトKVY 3 3 3 3 2 2
P.ガスリーGAS 3 3 3 3 2 2
M.フェルスタッペンVER 3 3 3 3 2 2
A.アルボンALB 3 3 3 3 2 2

2020年 パワーユニット投入データ

今シーズンはホンダを除くメルセデス、フェラーリ、ルノーの3メーカー全てが規約に抵触する形でのパワーユニット交換を余儀なくされた。

トルコではジョージ・ラッセル(ウィリアムズ/メルセデス)が、サクヒールではピエトロ・フィッティパルディ(ハース/フェラーリ)とランド・ノリス(マクラーレン/ルノー)が各々ペナルティを受けた。

そしてヤス・マリーナ・サーキットでの最終アブダビGPでは、ケビン・マグヌッセン(ハース/フェラーリ)が今季3基目となるCE及びESを投入。また、セルジオ・ペレス(レーシングポイント/メルセデス)は、今季4基目となるICE(内燃エンジン)、ターボチャージャー、MGU-Hの封を切り、共に日曜のレースで最後尾スタートを命じられた。

以下が2020年シーズンを終えての各ドライバー(マシン)毎のパワーユニット投入結果だ。一度も交換を科せられず高い信頼性を発揮したのは、ホンダパワーユニットのみだった。

1.6リッターV6ハイブリッド・ターボエンジン導入7年目の今年は、年間最大3基のICE、ターボチャージャー、MGU-H、MGU-Kと、最大2基のES及びCEをペナルティなしに使用する事が可能だった。

Team Driver ICE TC MGU-H MGU-K ES CE
メルセデス L.ハミルトンHAM 3 3 3 3 2 2
V.ボッタスBOT 3 3 3 3 2 2
フェラーリ S.ベッテルVET 3 3 3 2 2 2
C.ルクレールLEC 3 3 3 2 2 2
レッドブル・ホンダ M.フェルスタッペンVER 3 3 3 3 2 2
A.アルボンALB 3 3 3 3 2 2
マクラーレン・ルノー C.サインツSAI 3 3 3 3 2 2
L.ノリスNOR 4 4 3 3 2 2
ルノー D.リカルドRIC 3 3 3 3 2 2
E.オコンOCN 3 3 3 3 2 2
アルファタウリ・ホンダ D.クビアトKVY 3 3 3 3 2 2
P.ガスリーGAS 3 3 3 3 2 2
レーシングポイント S.ペレスPER 4 4 4 3 2 2
L.ストロールSTR 3 3 3 3 2 2
アルファロメオ K.ライコネンRAI 3 2 3 2 2 2
A.ジョビナッツィGIO 3 2 2 2 2 2
ハース・フェラーリ P.フィッティパルディFIT 3 3 3 2 3 3
K.マグヌッセンMAG 3 2 2 2 3 3
ウィリアムズ・メルセデス J.ラッセルRUS 4 4 4 3 1 2
N.ラティフィLAT 3 3 3 3 2 2

F1アブダビGP特集

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