アルガルベ・サーキットを走行するF1マシン、2020年F1ポルトガルGPにて
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2020 F1ポルトガルGP︰決勝スターティング・グリッド…ドラマを予感させる”非常に危険”なターン1

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2020年シーズンのF1世界選手権第12戦ポルトガルGPの暫定スターティンググリッドが国際自動車連盟(FIA)より発表された。予選順位とグリッドとの間に相違はない。

週末に先立っては、前戦でバルテリ・ボッタスをリタイヤに追い込んだ問題への対処として、メルセデスが新しいCEを投じた他、跳馬エンジンを積むキミ・ライコネンやロマン・グロージャン、シャルル・ルクレールらが今季3基目のICE(内燃エンジン)に交換するなど、全10台が新たなパワーユニットの封を切っているが、いずれも上限基数に収まる交換であった。

また、2日目を前にしては、ルノー製PUを使うダニエル・リカルドとカルロス・サインツがPU交換を行い、ランド・ノリスとエステバン・オコン、ジョージ・ラッセルの3台が新しいギアボックスの封を開けたが、こちらもレギュレーションで許可された範囲内の交換で、罰則の対象外であった。

更に、ピエール・ガスリーとウィリアムズに関してはサバイバルセルを交換し、シャシーを作り直している。

土曜の午後に行われた予選では、ピエール・ガスリーの走行を妨害したとしてセルジオ・ペレスが審議の対象となったが、スチュワードは叱責処分に留めたため、こちらもグリッドに影響を及ぼすものではなかった。

ポールポジションはルイス・ハミルトン。2番グリッドには僚友バルテリ・ボッタスが着き、メルセデスがフロントロー独占から66周のレースに挑む。2列目にはマックス・フェルスタッペンとシャルル・ルクレールという前戦と同じ顔ぶれが並ぶが、フェルスタッペンはこの上位4台の中で唯一、中古のソフトタイヤを履いてスタートする。他はミディアムだ。

FP2で発生したマックス・フェルスタッペンとランス・ストロールの衝突事故は、ターン1でのドラマを予感させる。サインツは彼らの事故が今週末の最後のインシデントになるとは考えておらず「あのターン1では、何度かアクシデントが起きそうだ」と予想する。

「コーナーの角度、アウト側及びイン側の各マシンのアプローチ速度と進入角度…トリッキーな事になるはずだ!」

ターン1でのアクシデントが予想される背景のもう一つには、ピットレーン出口のタイトさが挙げられる。アルガルベのピット出口はターン1手前でホームストレートに合流するが、幅が狭くターン1へのアプローチ速度が低速になってしまい、周回中のマシンとの速度差が大きい。

これは金曜のドライバーズブリーフィングで議題となり、2日目に向けてピット出口の白線が変更され、幾らかは幅が広げられたものの、それでもなおアレックス・アルボンは「凄く危険な状態になる可能性がある」と指摘。ダニエル・リカルドも同様の意見で「何が起きてもおかしくない」と断ずる。

2週間前のアイフェルGPと同じように、今回も予測不能な変数が多い。初日2回目のセッションが事実上ほとんど失われた事でロングランに関するデータは不足しており、各コンパウンドの寿命もデグラデーションの程度もハッキリとはしない。各チームは完全に手探りの状態で日曜に臨む事になる。興味深いレースが期待できそうだ。

F1ポルトガルGPスターティンググリッド

Pos No Driver Team Qualifying
1 44 L.ハミルトン メルセデス 1(-)
2 77 V.ボッタス メルセデス 2(-)
3 33 M.フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 3(-)
4 16 C.ルクレール フェラーリ 4(-)
5 11 S.ペレス レーシングポイント 5(-)
6 23 A.アルボン レッドブル・ホンダ 6(-)
7 55 C.サインツ マクラーレン・ルノー 7(-)
8 4 L.ノリス マクラーレン・ルノー 8(-)
9 10 P.ガスリー アルファタウリ・ホンダ 9(-)
10 3 D.リカルド ルノー 10(-)
11 31 E.オコン ルノー 11(-)
12 18 L.ストロール レーシングポイント 12(-)
13 26 D.クビアト アルファタウリ・ホンダ 13(-)
14 63 J.ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 14(-)
15 5 S.ベッテル フェラーリ 15(-)
16 7 K.ライコネン アルファロメオ 16(-)
17 99 A.ジョビナッツィ アルファロメオ 17(-)
18 8 R.グロージャン ハース・フェラーリ 18(-)
19 20 K.マグヌッセン ハース・フェラーリ 19(-)
20 6 N.ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 20(-)

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