アルガルベ・サーキットのパドックを歩くホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクター、2020年F1ポルトガルGPにて
Courtesy Of Honda

ホンダF1、1965年の初優勝から数えて55年の節目に4台入賞のチャンス掴む「悪くない結果」と田辺TD

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リッチー・ギンサーがホンダF1に初優勝をもたらした1965年のメキシコGPから数えて55年の節目となった10月24日の第12戦ポルトガルGP予選。ホンダエンジン勢は4台中3台が予選Q3に進出し、トップ10グリッドを確保する奮闘を見せた。

アメリカ出身のポール・リチャード・ギンサーは1965年にホンダと契約し、エルマノス・ロドリゲス・サーキットで開催された最終戦メキシコグランプリで、自身及びホンダ、そしてグッドイヤーにとっての初となる優勝を果たした。

土曜午前のFP3終盤に発生した排水溝カバーの破損トラブルの影響で、予選は予定よりも30分遅れで開始されたが、ホンダ製F1パワーユニット「RA620H」を搭載するレッドブル・レーシングとスクーデリア・アルファタウリの4台は、イレギュラーな状況にも関わらず集中力を切らす事なく予選Q2へと駒を進めた。

風が強まった事で、Q2のトラックコンディションは一層トリッキーとなり、ダニール・クビアトはQ1の自己ベストを更新したものの届かずQ2ノックアウトを喫した。決勝ではタイヤ選択の自由がある13番手からスタートする。

他の3台は順当にQ3進出を果たしたが、風の影響に翻弄され3台ともにQ1でのベストタイムを更新できなかった。マックス・フェルスタッペンはポールポジションに手が届く位置で最後まで奮闘し、最終的に3番手でフィニッシュ。アレックス・アルボンは6番手、ピエール・ガスリーは9番手から明日の決勝をスタートする。

予選を振り返ったホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは、初日の車両火災のために、カーフュー(深夜作業禁止令)を破って不眠不休でガスリー車の修復作業にあたったメカニック達の労をねぎらうと共に、4台全てが入賞を狙えるチャンスにあるとの認識を示し、決勝での大量ポイントを誓った。

順位 ドライバー チーム Q1 Q2 Q3
3 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1:16.879 1:17.038 1:16.904
6 アレックス・アルボン レッドブル・ホンダ 1:17.435 1:17.411 1:17.437
9 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 1:17.209 1:17.367 1:17.803
13 ダニール・クビアト アルファタウリ・ホンダ 1:17.841 1:17.728

Honda:F1ポルトガルGP予選を終えて

田辺 豊治ホンダF1現場責任者

今日のポルトガルGP予選は、レッドブル・レーシングのフェルスタッペン選手が3番手、チームメートのアルボン選手が6番手を獲得と、明日の決勝に向けて悪くない結果となりました。

スクーデリア・アルファタウリのガスリー選手は午前のセッションから好調な走りを見せ、Q1を4番手、Q2を7番手で通過しましたが、残念ながらQ3では風の影響を受けてタイムアップできず、9番手からのレーススタートとなりました。

ガスリー選手は昨日のトラブルによりマシンに大きなダメージを負う事となりましたが、チームおよびホンダのクルーがマシンを夜通しの作業で懸命に修復してくれました。それに応えるようにガスリー選手が素晴らしい走りをしてくれたことを大変うれしく思っています。また、修復に当たったクルーたちに感謝の言葉を贈ります。

クビアト選手は13番手でQ2敗退という結果でしたが、4台ともに明日の決勝に向けてポイント獲得を狙えるポジションからのスタートとなります。良いレースができるよう、明日に向けて更に準備を進めていきます。


ポールポジションはルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)。僚友バルテリ・ボッタスを0.102秒差で2番手に抑える逆転最速タイムを刻んだ。2列目には3番手にマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)、4番手にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が並ぶ結果となった。

2020年 F1ポルトガルグランプリ決勝レースは、日本時間10月25日(日)22時10分にスタート。1周4,684mのアルガルベ・サーキットを66周する事でチャンピオンシップを争う。

F1ポルトガルGP特集