キャデラックF1、パジェノー参画で布陣強化 ― 大事故から甦った“開発の要”…3名体制の一員に

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2026年のF1新規参戦に向け、キャデラックは2016年インディカー王者であり2019年インディ500優勝者でもあるシモン・パジェノーをシミュレーター開発プログラムに起用した。

パジェノーは、ハースの元F1リザーブドライバーであるピエトロ・フィッティパルディ、そしてメルセデスの元F1シミュレータードライバーであるチャーリー・イーストウッドと役割を分担する。

長期離脱から復帰、再びGMと歩む道

パジェノーは2023年のミド・オハイオでのプラクティス中、ブレーキ故障から大クラッシュを喫し、深刻な脳震盪の影響でシリーズを離脱した。その後はペンスキー時代の元チームメイトであるスコット・マクラフリンのドライバーコーチを務めるなど長期療養。再びゼネラル・モーターズ(GM)と仕事を共にすることとなった。

パジェノーは12年間に渡るインディカーでのキャリアの大半で、キャデラックと同じくGM傘下のシボレーエンジンを使用。15勝のうち11勝を同エンジンで挙げた。最後の勝利は2020年アイオワでのレースだった。

シャーロット拠点での開発とチームの狙い

キャデラックは現在、ノースカロライナ州シャーロットにある拠点でF1参戦に向けたシミュレーター開発を進めている。チーム代表のグレアム・ロウドンは次のように語る。

「シミュレーター作業はチーム作りにおいて極めて重要だ。基礎性能や空力セットアップの検証、グランプリ週末に備えるためのシステムやプロトコルの確認に加え、米国・英国・そして最終的にサーキットの現場チームを結ぶ明確なコミュニケーションを築く上でも欠かせない。シモンは経験とエネルギーをもたらし、大きな助けになっている」

パジェノー自身も「クルマの技術的な側面を最適化し、ファクトリーの人々との関係を築くことは、僕がレースを始めて以来の情熱だ。エンジニアと話し合い、シミュレーターを開発して現実に近づける作業は本当に楽しい」と心境を語る。

さらに「この仕事は、自分の専門知識を活かし、役に立てているという実感を与えてくれる。事故以来、欠けていたものを取り戻せた。僕の役割と目標は、シミュレーターをできる限り現実に近づけ、クルマの基盤を築くことだ」と意気込みを示した。

キャデラックF1の本拠ノースカロライナ州シャーロットでシミュレーター作業に取り組むシモン・パジェノー、2025年Courtesy Of Cadillac

キャデラックF1の本拠ノースカロライナ州シャーロットでシミュレーター作業に取り組むシモン・パジェノー、2025年

キャデラックは2026年に向け、バルテリ・ボッタスおよびセルジオ・ペレスとレース契約を結んでいる。さらに、インディカーで優勝経験のあるコルトン・ハータをF1テストドライバーとして起用。ハータは来季、FIA-F2選手権に参戦し、F1参戦に必要なスーパーライセンスの取得を目指す計画だ。