ペレスはアキレス腱…今季F1王座争いからレッドブルを除外するノリス、フェラーリとの決戦を予想
2024年のF1コンストラクターズ選手権争いについてランド・ノリスは、現時点ではマクラーレンとフェラーリの一騎打ちになるとの見方を示し、セルジオ・ペレスとの新たな2年契約を発表した王者マックス・フェルスタッペン擁するレッドブルを除外した。
F1第9戦カナダGPではフェルスタッペンが今季6勝目を飾ったが、マクラーレンはノリスが2位、オスカー・ピアストリが5位でフィニッシュし、メルセデスと並び、他のどのチームより多い28ポイントを獲得。ノーポイントに終わったランキング2位のフェラーリとの点差を40ポイントにまで縮めた。
チャンピオンシップ3連覇を目指すレッドブルは計301ポイント。その差は89ポイントと依然、大きく開いているが、ノリスはマクラーレンがタイトルを争えると見ており、その最大のライバルはレッドブルではなくフェラーリだと考えている。
ジル・ビルヌーブでのレースを経て、残りのシーズンに向けたコンストラクターズ・タイトル争いについての見解を問われたノリスは、隣にフェルスタッペンがいる状況で答えづらそうに笑みを浮かべた後、「…正直、現時点ではフェラーリと僕らの戦いだと思う」と語った。
「マクラーレンには、毎週末に渡ってミスを犯さず、クルマから最大限のパフォーマンスを引き出す二人のドライバーが揃っている。それが現時点での僕らの最大の強みの一つだと思う」
「これは他のチームにはあまり見られないレアなことだ。だからこそ僕らにとって重要なのは、フェラーリに対して何ができるかってことなんだ」
フェルスタッペンがトップチェッカーを受けたにも関わらず、選手権首位を走る王者レッドブルが25ポイントに留まったのは、土曜の予選でQ1敗退を喫し、レースでスピンを喫したペレスが70周のレースの53周目にリタイヤしたのが理由だ。
予選Q1の敗退とリタイヤは前戦モナコGPに続く2戦連続の出来事で、原因はチーム側にあるものの、リアウイングが大破した危険な状態のクルマをドライブしてピットに戻ったとして、次戦スペインGPでは3グリッド降格ペナルティを受ける。
レッドブルと新たな契約更新を結んだペレスについてノリスは、シーズンを通して一貫性を発揮できておらず、コンストラクターズ選手権争いにおけるレッドブルのアキレス腱だと考えている。
「繰り返しになるけど、今週末に向けて僕らは、より一貫性を発揮したチームだった。彼らは何度かミスを犯し、何らかの理由で少しばかり苦戦していた」とノリスは語る。
「…結局のところ、一人より二人で結果を残す方がより有利だと思う。ほら、マックスの所の話だけど」
これに対してフェルスタッペンは「時にはこういった一度きりのミスは許容できる場合もある」としてチームメイトを擁護しつつも、同時にチームとしては2台揃って上位でフィニッシュできるよう取り組んでいく必要があると強調した。
「チェコに関してはもちろん、昨日のダメージが大きかったと思う。この手のコンディションで後方からスタートするのはかなり厳しい」とフェルスタッペンは語る。
「彼がダメージを負ってリタイアしたことで、他のチームにあまり追いつかれないようにするために、大量にポイントを獲得しなきゃならないことは分かっていた」
「でも結局のところ、勝ち続ければ25ポイントを獲得できるわけで、他のチームが2位や3位でフィニッシュしてもあまり大きな損失にはならない。時にはこういった一度きりのミスは許容できる場合もある」
「ただ当然のことではあるけど、僕らは常に、2台で上位フィニッシュすることを望んでいるし、同時にこの状況がすぐに改善されると確信している」
「正直なところ、このクルマに関しては、もう少しドライブしやすく、もう少し快適に感じられるよう改善しなきゃならない。そうすればシーズン初めのように、2台揃って上位に戻れるはずだ」
フェルスタッペンが残りのシーズンで全勝し、ペレスがノーポイントに終わり続けてなお、マクラーレンがレッドブルを交わして首位に立てるのは最も早くて第19戦アメリカGP後であり、ノリスはマクラーレンがタイトルを争えると考えている一方、その道が平坦でないことも理解している。
「僕らは良い仕事をし続けているけど、もっとプッシュして、アップグレードを含めてもっと色んなことを試みる必要がある。メルセデスが争いに加わることで、今日みたいに大量のポイントを獲得するのは更に難しくなるだろうからね」とノリスは付け加えた。