アゼルバイジャンGP初日を終えインタビューに応えるフェラーリのキミ・ライコネン
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「ライコネンはジョビナッツィに怯えながら一年を過ごす事になるだろう」とミナルディ

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ジャンカルロ・ミナルディは、ザウバーのレギュラードライバーとして新しく起用された若きイタリア人、アントニオ・ジョビナッツィが、グリッドで最も経験豊富な2007年のF1ワールドチャンピオン、キミ・ライコネンを苦しめるだけの快走をみせると考えている。

フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)傘下のアルファロメオを冠スポンサーとするザウバーは今年、ドライバーラインナップを一新。同じFCAグループの跳ね馬アカデミーでキャリアを歩んできたジョビナッツィと、昨年までスクーデリアをドライブしていたライコネンを迎え入れた。

ジョビナッツィは2016年にGP2シリーズで選手権2位に輝いた翌年、レース・オブ・チャンピオンズでクラッシュを喫し怪我を負ったパスカル・ウェーレインの代役として開幕2戦に出走。ヤルノ・トゥルーリとヴィタントニオ・リウッツィ以来6年ぶりに初めて、イタリア人ドライバーとしてF1世界選手権のグランプリレースを戦った。

デビュー戦となった2017年の開幕オーストラリアGPでは12位完走と健闘するも、第2戦中国GPでは予選・決勝レースともに全く同じ場所、同じ様な形でクラッシュしマシンを大破。株を大きく下げてしまった。

レッドブルに買収されるまでチームオーナーという形で長年F1を見続けてきたミナルディは「ライコネンはジョビナッツィを”肩越しに振り返る”必要がある。私はジョビナッツィがライコネンを窮地に追いやると確信している」と述べ、グリッド最年長の大ベテランは新人ジョビナッツィに怯えながら一年を過ごす事になるだろうと警告した。

希望的観測が全面に出過ぎている嫌いがある事は否定し難いものの、ジャンカルロ・ミナルディと言えば、フェルナンド・アロンソやマーク・ウェバーを育て上げた事で知られ、若い才能を見出して育成する能力には定評があった人物だ。

ティフォシとイタリア国民にとって、イタリア人F1ドライバーの復活は悲願。今も当時と変わらず伊ファエンツァに住むミナルディは、ジョビナッツィのF1フル参戦の意義を次のように説明する。

「アントニオがF1に辿り着いたという事実は、イタリアのモータースポーツ全体にとって非常に重要なシグナルなんだ。若いドライバー達やイタリアGPの将来に大きな影響を与える事になるからね」

「私は常にこう主張してきた。問題は、実力あるドライバーが国内にいない事ではなく、彼らをF1まで引っ張り上げるリソースがないだけなんだ、とね」