F1マイアミGPの舞台、マイアミ・インターナショナル・オートドロームとハードロック・スタジアム
copyright FORMULA 1

角田裕毅、”ミス誘発設計”のF1マイアミ新コースに「フォーミュラEセクター」見出す

  • Published:

F1マイアミGPの舞台、マイアミ・インターナショナル・オートドロームには、ドライバーのミスを誘発する「ミス・ジェネレーター」が組み込まれている。アルファタウリの角田裕毅はこれを「フォーミュラEセクター」と命名した。

マイアミの新コースはセクター毎に特徴が異なる。セクター1は高速のスイープターンが多く、セクター2にはタイトな低速ターンが多く含まれる。そしてセクター3は長いバックストレートとヘアピンが中心となる。

マイアミ・インターナショナル・オートドローム(F1マイアミGP)のコースレイアウト図とDRSゾーンcopyright Formula1 Data

マイアミ・インターナショナル・オートドローム(F1マイアミGP)のコースレイアウト図とDRSゾーン

最も警戒すべきは有料道路の陸橋下に設けられるセクター2の最終パートに位置する連続コーナーだ。サーキットの設計を担当したApex Circuit Designのクライブ・ボーエンによるとこの区間には、ドライバーのミスを誘発するような位置にバリアが設置されている。

「ターンパイクの高架橋の下にあるターン13から16にかけての連続コーナーは、針に糸を通すような形になっている」とボーエンは説明する。

「ターン14に向けては、エイペックスに到達するまで次のターン15のエイペックスが見えない。我々はここを”ミス・ジェネレーター”と呼んでいる。前走車がオーバードライブしやすいため、ポジションを上げるチャンスとなる」

角田裕毅はこれを他の区間と明確に区別し、独自に「フォーミュラEセクター」と命名した。

「マイアミは新しいサーキットですので、誰もが3回のフリー走行を通して学んでいくことになります。初日金曜は何よりもデータ収集が重要になります」

「シミュレーターで走った感じでは、最初の2つのセクターは幾つかの中高速コーナーがあってかなり速い印象で、僕が”フォーミュラEセクター”と呼んでいるセクター3(※恐らくセクター2の最終区間の事)にはかなりタイトなコーナーが多く配置されています」

「全体的にはドライビングという点でかなり面白いコースに見えます。オーバーテイクが難しい可能性があるので、予選を上手くやる必要がありそうです。ロングランでイモラと同じかそれ以上のペースが出せれば完璧でしょうね」

初開催の新コースはベテランを含めた誰もが未経験という点で、F1参戦2年目の角田裕毅にとっては好成績を上げる大きなチャンスとなり得る。前戦エミリア・ロマーニャGPで「キャリアベストのレース」を戦っただけになおさらだ。

角田裕毅は「最終的なリザルトには満足していますが、それでもイモラが全体的に難しい週末であった事に変わりはありません」と前戦を振り返りつつ、マイアミでの週末に向けて抱負を語った。

「クルマにポテンシャルがあったにも関わらず、それを全て出し切ることができなかったために予選は上手くいかず、理想的な形で週末をスタートできませんでした」

「ただ、スプリントで4つポジションを上げることができたのは良かったですし、日曜のレースもオープニングラップで順位を上げ、7位フィニッシュしてポイントを獲得し、良い戦いができました」

「この結果アルファタウリは、今季これまでの4レース全てでポイントを獲得したのは3チームの中の1つに残る事になりました。これまでのF1でのキャリアの中で最高のレースの一つになったと思います」

「アメリカでのレースでは国内のメジャースポーツを絡めた大掛かりなショーが行われるのが定番で、毎回盛り上がっており、それはそれで楽しいのですが、僕としては兎に角、自分の仕事に集中するつもりです」

「慌ただしくなりそうな週末の前に少しばかり時間を得て、一足先にニューヨークに行ってボクシングの試合を観戦しました。ニューヨークを訪れるのは初めてでしたが、とても楽しい時間を過ごすことができました」


マイアミGPの舞台となるのは、1周5,412m、全19コーナーを有するマイアミ・インターナショナル・オートドローム。3本のストレートにも関わらずエンジン全開率は56%(ラップタイムにおける割合)に留まる見通しで、カレンダーの中では低い部類に入る。

F1マイアミGPは、日本時間5月6日(金)27時30分からのフリー走行1で幕を開ける。

F1マイアミGP特集