決勝レースを前にグリッド上で会話するアストンマーチンのセバスチャン・ベッテルとハースのミック・シューマッハ、2022年5月8日F1マイアミGP
Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

ベッテルとシューマッハ、まさかの師弟クラッシュで「F**k!」も遺恨なし?

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同じドイツ出身で師弟関係にあたるセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)とミック・シューマッハ(ハース)はF1第5戦マイアミGPの決勝レースで接触した。皇帝の息子はフロントウイングを交換の上で辛うじて完走したものの、右横腹に追突された4度のF1王者はリタイヤを余儀なくされた。

悪い事にそれは、両者がポイント圏内を走行している最終盤に起きた。9番手を走るベッテルに対し、シューマッハはターン1のイン側に飛び込み、アウト側からコーナにアプローチしてきた5号車AMR22の横っ腹に突っ込んだ。

事故直後のアドレナリン噴出下にあるベッテルはチーム無線で「F**k!」と放送禁止を口にし、シューマッハは「優先権は僕にあったのに!」と訴えた。スチュワードは一件をレーシングアクシデントと判断した。

ベッテルは燃料温度の問題によってピットレーンからスタートし、逆襲のポイント獲得まで後一歩と迫りながらも、コースではなくガレージの中でレースを終える事になったわけだが、一方的に弟子を責める事はなかった。

F1公式サイトによるとベッテルは「接触して2人ともがリタイアし、ポイント圏外に落ちてしまったんだから残念としか言えない」と語った。

「ミックにとっても僕にとって明らかに残念な結果だ。今日は2人ともポイントが取れるチャンスがあったのにそれを失ったんだから」

ベッテルは、シューマッハが飛び込んでくるとは「思ってもみなかった」として、あの動きは「明らかに遅すぎた」としながらも、自身としても「もう一度、後ろを振り返る必要があった」と認めた。

対して、キャリア初ポイントを逃したシューマッハはSky Sportsとのインタビューの中で、映像を見直してみないことには「何とも言えないし、判断するのも難しい」とした上で、師匠が一件をどう判断するのかは自身にとって良い勉強になるはずだとして、ベッテルと話し合う予定だと明かした。

また、ベッテルが自身に対して怒っていないと伝えられたシューマッハは「僕の方も同じだ」と答えた。

「彼は尊敬する友人だし、恵まれた事に僕は彼から学ぶ事ができる。それにもちろん、僕らはみんな、レーサーなんだ」

当事者達はお互いに怒りをぶつけはしなかったが、アストンマーチンのマイク・クラック代表は「セバスチャンには何の落ち度もなかった」として、シューマッハを「気負っていた」と形容した。

マイアミはハースにとって今季1回目のホームレースだった。チーム代表のギュンター・シュタイナーは「特に我々のホームイベントであった事を思えば、今日は望んでいたような1日ではなかった」とレースを振り返った。

「クルマにはペースがあったし、両ドライバーともそれを発揮してくれたが、またしてもコース上の幾つかの出来事に関して不運を被ることになった」

「ポイントを獲得できそうだったのに、そうならなかったのは残念だ」

「ミックとセバスチャンの事故は残念な形になったし、ケビン(マグヌッセン)の方はトップ10入りを目指して戦っていたものの、序盤に負ったダメージの影響で、最終ラップまで後2周目というところでリタイアせざるを得なくなった」

「今回を含めて過去数戦で得た教訓を活かし、今後はより良いレースをしなければならない」

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