ホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターと副テクニカルディレクターを務める本橋正充
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ホンダF1田辺「エンジン・エアロ・冷却…高地への最適化が鍵」

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ホンダの現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターが、ホンダF1初優勝の地、2019年FIA F1世界選手権第18戦メキシコGPに先立って抱負を語った。昨年のレースでは、トロロッソのピエール・ガスリーが、パワーユニットとギアボックスの交換により最後尾スタートを強いられるも、力強いペースで追い上げて見事10位入賞を果たした。

標高約2300mの高地に位置するメキシコシティーは、平地と比べて22%も空気が薄く、エンジンの燃焼効率が悪化するため、ロングストレートではMGU-Hが頼みの綱となる。また、空力特性や冷却にも大きな影響を及ぼすため、シーズンの中で最も負荷が大きな一戦となる。

ホンダ:メキシコGPに向けて

田辺 豊治ホンダF1現場責任者

我々のホーム、日本でのレースを終え、次は南北アメリカ大陸でのシリーズを戦うべく、まずはメキシコに向かいます。

メキシコのエルマノス・ロドリゲス・サーキットは海抜約2300mに位置し、シーズンを通して最も標高が高い場所でのレースとなります。気圧が低く空気密度が低いため、パワーユニットや車体に多くの影響を及ぼすことで知られています。

パワーユニットとしては、ターボの仕事量が平地と比較して多くなりますので、高地専用のエンジンキャリブレーションが必要となります。また、空気が薄いことはエアロ効率や冷却効率の低下にもつながります。平地とは異なるエアロセッティング、クーリング性能が要求され、その最適化が課題となりますが、車体、パワーユニットともに過去の走行データをもとに準備を行い、週末を通して最適化を進めていきます。

ここ数戦を振り返ると、ライバルが非常に力を上げてきていることを感じており、今回も簡単なレースにならないと想定しています。一方で、メキシコGPはHonda F1にとって1965年に初優勝を遂げた記念すべきグランプリでもありますので、いい結果を得られるよう最善を尽くして臨みます。


昨年のF1メキシコGPでは、マックス・フェルスタッペン(Red Bull)が優勝し、2位にセバスチャン・ベッテル(Ferrari)、3位にキミ・ライコネン(Ferrari)が続く結果となった。

2019年のF1メキシコGPは、日本時間10月25日(金)24時からのフリー走行1で幕を開ける。

F1メキシコGP特集