反人種差別の意志を示すために漆黒のブラック・アローと化したメルセデス・ベンツEQフォーミュラEチームの2019-2020年型マシン
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メルセデス、F1に続きフォーミュラEにも反人種差別の”ブラック・アロー”を投入

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メルセデス・ベンツEQフォーミュラEチームは7月29日(水)、漆黒の”ブラック・アロー”でシーズン最後の6レースを戦うと発表した。ストフェル・バンドーンとニック・デ・フリースのマシンのヘイローには、「End Racism(人種差別をなくす)」とのスローガンが配される。

人種差別を含むあらゆる形態の差別に対し、毅然とした態度で臨む事を表明しているメルセデス・ベンツ・モータースポーツは、ルイス・ハミルトンからの要望に応える形で、既にF1世界選手権用のマシン「W11」を漆黒の「ブラック・アロー」とも呼ぶべきカラーリングに変更し3戦を戦っている。

重量規制をクリアするために車体の塗装を剥がし、アルミの地肌そのままでレースに出走したという歴史的逸話から、メルセデスのレーシングカーは伝統的に「シルバーアロー」と呼ばれているが、今シーズンに限っては全面的に黒一色でペイントされる。

8月8日と9日の週末には、メルセデスのF1及びフォーミュラEのレーシングカー4台すべてが黒の衣装をまといサーキットで連帯感を示す。

反人種差別の意志を示すために漆黒のブラック・アローと化したメルセデス・ベンツEQフォーミュラEチームの2019-2020年型マシン

反人種差別の意志を示すために漆黒のブラック・アローと化したメルセデス・ベンツEQフォーミュラEチームの2019-2020年型マシン

メルセデスのマーケティング担当副社長を務めるベッティーナ・フェッツァーは「我々はフォーミュラEにおいても、人種差別を含むあらゆる差別に反対し、社会の多様性と寛容性の向上を支援するために声を上げていきたいと考えている。黒を基調としたカラーリングは、相互尊重という価値観を継続的に示し続けていく必要があることを我々全員に思い出させてくれる」との談話を発表した。

メルセデス・フォーミュラEチームのイアン・ジェームズ代表は「世界中で起きている最近の出来事は、人種差別や差別に対抗するために、我々全員が更に努力していかなければならない事を示している。適切な戦略を策定するためには、多くの時間とコミットメントを確保する必要があることは分かっている。だが我々は既にそのための取り組みを始めている」と語った。

イアン・ジェームズはレース産業界が民族の多様性と男女平等という観点で遅れをとっている事を認めた上で「あらゆる分野での不均衡を補うには、まだまだ長い道のりが必要だ」と続ける。

「生まれや性別とは関係なしにフォーミュラEに参加する機会を与えるために、パートナー達と協力して、若い才能ある人材を育成することが義務だと考えている」

反人種差別の意志を示すために漆黒のブラック・アローと化したメルセデス・ベンツEQフォーミュラEチームの2019-2020年型マシン