エリック・ブーリエとフェルナンド・アロンソ
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マクラーレンF1に耳を疑う内部告発、内紛劇に加えて止まらぬ成績不振…チーム代表は辞任を拒否

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6月22日のF1フランスGP金曜記者会見に出席したマクラーレンF1チームを率いるエリック・ブーリエは、「フレッド・ゲート」に関する質問への対応に頭を抱える事となった。

先日、英タブロイド紙「デイリー・メール」が、マクラーレンの職場環境の悪質さを訴える内部告発記事を掲載。実際にチームで働くスタッフが、厳しい仕事の報酬として給与ではなくチョコレート菓子を支給されていると告発。惨状を訴えていた。

支給されたチョコ菓子は、イギリスで人気の「フレッド=Freddo」という商品名のカエルの形をしたチョコレートバーで、この一件は「フレッド・ゲート」と呼ばれ波紋が広がっている。

報道によればスタッフは一種の反乱状態にあり、人間関係は最悪なレベルに達しているという。告発した従業員は、仕事の対価として安物のチョコレート菓子を配るチーム上層部の所業を糾弾。一部のスタッフの間では、エリック・ブーリエを含む4名の上層部の”無能ぶり”を揶揄。「アンタッチャブルズ」と呼び軽蔑しているという。(untouchableは、ヒンドゥー教におけるカースト制度の最下層民を指す)

カエルの形をしたチョコ菓子「フレッド・バー」
creativeCommonsavlxyz、チョコ菓子「フレッド」

「今日幾つかの記事を見てみたが、読む分には面白いね。Eメールが大量に届いたよ。”これはジョークだ”と言ってくれる人たちからね」とブーリエ。会見場で質問に答えた。

「どのような組織であっても何人かは不機嫌な人間がいるものだ。こういった人々が何を問題視しているのかは分からないが、裏でコソコソ話すよりも、問題が何であるかについて理解するために、我々のところに来て話をするように呼びかけた」

「言うまでもなく、これはチーム内の問題だ。内部に目を向け…何がスタッフ達に不満を与えているのかを知る必要がある。我々は800人の従業員を抱えており、労働力とエンジニアリングの観点でサポートしてもらっている。今回の件は、一部の気難しいスタッフ達の問題に過ぎないと思う」

会見会場には当のデイリー・メールの記者も参加しており、ブーリエに対して矢継ぎ早に質問。耐えかねたブーリエが「もう十分だ」と憤りこれを遮る場面もあった。一部には、ブーリエは自身の従業員や他のマネジメントから訴訟を起こされるとも噂されている。

マクラーレンの内情が芳しくない事を示すのはフレッド・ゲートだけではない。チーム内には、ザク・ブラウンCEOやブーリエをはじめとする首脳陣に対する不満が高まっており、従業員の一部が、かつてチーム代表を務めていたマーティン・ウィットマーシュに解決のための協力を仰いでいる。

ウィットマーシュは「首脳陣の間には政治的なしがらみが多く、去るべき者が多い」と指摘。これに対してマクラーレンのスポークスマンは「ウィットマーシュは既に部外者であり、発言は軽率」との声明を発表し批判している。

マクラーレンは2013年以降は一度も優勝出来ておらず、長引く低迷に苦しみ続けている。ホンダバッシングを繰り広げることで、今年念願のルノーエンジンを手に入れたものの、依然として予選最終ラウンド進出すら厳しい状況にあり、好天の兆しはみえてこない。

チームを率いる立場として成績不振の責任を取って辞任すべきでは?との声に対してブーリエは「辞めるつもりはない」と返答。「私はレースの世界に20年身を置いており、これまでに率いてきたあらゆるチームで優勝と選手権を制してきた。あなたがこの事実を歪めることは出来ない」と返した。

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