マクラーレンのザク・ブラウンCEO
Courtesy Of McLaren

2021年以降の新規約発表間近、マクラーレン「不均衡が正されない場合はF1撤退を検討」

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マクラーレンのザク・ブラウンCEOは2021年以降のF1レギュレーションについて、チーム間の戦力及び予算の不均衡を正す必要があると考えており、これが満たされない場合はF1撤退を検討せざるを得ないとの認識を示した。

現行レギュレーション及び商業規定は2020年末に期限切れとなるため、F1とFIA国際自動車連盟は目下、2021年シーズンから施行する新たなルールの策定に取り組んでおり、3月26日に英国ロンドンでの発表が予定されている。

「マクラーレンとしては2つの項目を確認する必要がある」とブラウンCEO。英ガーディアンのインタビューに答え、F1の商業権利者であるリバティ・メディア社に対して次のように警告した。

「第一に財務的に持続可能であること、第二にフィールド上での公平な争いが可能かどうかという点だ。もしそれが満たされないのであれば、我々はF1における自分達の立場を真剣に再考しなければならない」

「ある種の人々は交渉術として撤退を仄めかすが、新しい規約は財政的に実施可能である必要があるし、レーシングチームが競争的である事を担保しなければならない」

「新しいレギュレーションがそういった状況をもたらさないと感じれば、我々としてはF1への参戦を見直さなければならない」

F1の分配金は一部の古参チームに有利な仕組みとなっており、彼らは成績とは無関係に新興チームよりも多額の金額を受け取っている。中でもフェラーリは他の9チームにはない「特別待遇枠」という既得権益を有しており、その分だけで昨年は推定6800万ドル、日本円にして74億8000千万円の追加ボーナスの支払いを受けている。

マクラーレンもまた「プレミアム枠」という形での既得権益を有しているが、ブラウンCEOは聖域なき分配金改革を訴え、歴史的貢献度よりもチームのパフォーマンスを評価する仕組みに変えるべきだと主張する。

「分配金にはもっとバランスが必要だと思うし、パフォーマンス指向であるべきだと考えている」とブラウンCEO。

「我々の誰もが皆、フェラーリがF1における最大のビッグネームである事に賛同しているし、それに応じた報酬が与えられるべきだと考えているが、それは”現在の水準で”という事ではないし、その金をレース資金とすべきではない」

「一旦この点が平準化されれば、全チームが一気に競争力を取り戻し始めるはずだ」

「今のF1では一つのチームが支配的地位を築いているが、目指すべきF1においては、圧倒的なチームは必要ない。つまり、立て続けに5度も6度もチャンピオンを取るチームが現れてしまうような仕組みは望ましくなく、せいぜい2度位が良いところだろう」