テスト初日に姿なし…王者マクラーレン、F1新規則時代に選んだ“あえて急がない”開発戦略

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来週スペイン・バルセロナで行われる2026年F1プレシーズンテストにおいて、マクラーレンF1チームが初日に走行を行わない方針であることが明らかになった。状況次第では、新型マシン「MCL40」の初走行は、テスト3日目までずれ込む可能性もあるという。

2026年はシャシーとパワーユニットが全面刷新される新レギュレーションの初年度であり、例年とは異なり計3回のプレシーズンテストが用意されている。ただし、非公開で実施される最初の5日間のテストで各チームが走行できるのは最大3日間に制限されている。

多くのチームが事前にシェイクダウンを行い、テスト初日から走行に臨む見通しであるなか、マクラーレンは異なるアプローチを選択した。新車は現時点でオーストリアにあり、エンジニアリング企業AVLのダイノ設備で最終的なシステム確認が行われている。

初日走行を見送る慎重な開発判断

ピットウォールでレースの戦況を見守るマクラーレンのアンドレア・ステラ代表、2025年11月22日(土) F1ラスベガスGP決勝(ラスベガス市街地コース)Courtesy Of McLaren

ピットウォールでレースの戦況を見守るマクラーレンのアンドレア・ステラ代表、2025年11月22日(土) F1ラスベガスGP決勝(ラスベガス市街地コース)

F1公式サイトによると、チーム代表のアンドレア・ステラはMCL40を「野心的なマシン」と評し、開発は「計画通り」に進んでいると説明する一方で、規則変更の規模があまりにも大きいため、「期限内にクルマを確実に完成させ、組み上げるための慎重さも必要だ」と語った。

テスト初日に走行しない代わりに、マクラーレンは開発と設計に可能な限り多くの時間を割くことを優先した。ステラは、「早く走れば安心感は得られるが、その分、設計を早期に確定させることになり、最終的な性能を犠牲にする可能性がある」と説明する。

この戦略は、他チームとは対照的だ。キャデラックやアウディ、レーシング・ブルズやアルピーヌはすでにシェイクダウンを完了し、テスト初日の朝から走行可能な体制を整えている。フェラーリやメルセデスも最初のテスト前にシェイクダウンを行う見通しだ。

理解を優先する「アップグレード最小化」方針

マクラーレンのオスカー・ピアストリとエンジニアリング&デザイン担当テクニカル・ディレクターのロブ・マーシャル、2024年2月23日F1バーレーンテストCourtesy Of McLaren

マクラーレンのオスカー・ピアストリとエンジニアリング&デザイン担当テクニカル・ディレクターのロブ・マーシャル、2024年2月23日F1バーレーンテスト

さらにマクラーレンは、開幕戦までの間に大規模なアップグレードを行わない方針も明らかにした。チーフデザイナーのロブ・マーシャルは、「バルセロナとメルボルンの間で投入される変更は最小限になる」と述べた。

「まずはこのクルマを理解することが最優先だ。2026年のマシンは非常に複雑で、すべてが新しい。そのため、早い段階で新しい要素を追加しすぎると、かえって事態を複雑にしてしまう」

なお、マクラーレンは2月の公式プレシーズンテスト直前までマシンの全貌を公開しない予定だが、ダウンウォッシュ型サイドポッドを採用し、フロントサスペンションをプルロッドからプッシュロッドに変更するとみられている。

2025年にドライバーズおよびコンストラクターズの両タイトルを制した王者マクラーレンは、新時代に向けて、初日から走り込むことよりも、机上での理解を深めることを選んだ。その判断は吉と出るのか、それとも凶と出るのか。興味深い。