ルクレール、怒りのタイヤ批判を撤回「本当に大きな代償」の責任は自身にあり
F1シンガポールGPを経てシャルル・ルクレール(フェラーリ)は、予選後のタイヤ批判は的外れで、ドライバーとしての仕事ができなかった自身に責任があると述べ、それが決勝での「本当に大きな代償」に繋がったと説明した。
僚友カルロス・サインツの単独クラッシュにより、事実上の一発勝負となった予選Q3でルクレールは、ターン2のトラックリミットによりラップを抹消され、ノータイム9番手に終わった。ただ、抹消されていなくとも7番手という結果だった。
この出来事についてルクレールは予選後、「何よりも温度不足が原因だ。ガレージを出た時点で既にフロントタイヤが冷えすぎていて、それでロックアップしてしまった」とタイヤに原因があったと説明し、チームに問題を調査するよう求めた。
しかしながら、レース序盤にフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)とニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)に前を塞がれ、我慢の展開を強いられながらも、最終的に5位でフィニッシュした日曜のレースを終えて、Q3で結果を残せなかったのは、タイヤ問題ではなく自身のミスによるものだったと認めた。
レース後に、見事な巻き返しだったけど?と呼びかけられたルクレールは、「複雑な気持ちだね」と答えた。
「今日は本当に、本当に良い仕事をしたし、これ以上できることはなかったと思う。レースの序盤は何もできず、ただ待つしかなくてフラストレーションが溜まったけど、ニコ(ヒュルケンベルグ)とフェルナンド(アロンソ)がピットに入った後はプッシュできた」
「ペースも良かったし、ピットインした後の第2スティントでは本当に力強い走りができて、5位に戻ってこれた。そこは本当に満足している」
「ただ、全体的には少し残念な週末だった」
「昨日はタイヤのことで、かなり腹を立ててインタビューに応じたけど、振り返ってみると、確かにタイヤは完全に適切なウィンドウにはなかったけど、予選ではよくあることで、それよりも僕がターン1でロックアップしてコースから飛び出てしまい、トラックリミットを越えてしまったことの方が問題だったと思う」
「だから、今考えると、昨日は多分、僕に原因があったんだろうね」
Q3でラップをまとめ上げることができていれば、表彰台争いは堅かっただろう。それだけのペースが日曜のSF-24にはあった。
「うまくいく予選もあれば、ミスをする予選もある。特に1周しかチャンスがない場合はね。そしてそのミスの代償を支払った」とルクレールは続ける。
「(追い抜きが難しい)シンガポールのようなコースでは、Q3でラップを記録できないと、その代償が本当に大きい」
「でも、今日だけを見れば、本当に、本当に良い仕事ができたと思う。週末全体で見れば、昨日のミスの代償を払うことになったけどね」
F1サーカスはこの後、4週間弱のシーズン異例の秋休みを迎える。胸の踊るような予定を色々と立てているのだろう。ルクレールは笑みを浮かべながら、次戦アメリカGPでの巻き返しに意欲を示した。
「昨日は上手くやれなかったけど、次のレースではまた巻き返せると思う。だって、これから、ちょっとした休みが取れるからね」とルクレールは語る。
「オースティンでは予選もレースも上手くやって、全体的に良い週末にできればって思ってる」
2024年F1第18戦シンガポールGPでは、ランド・ノリスがマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に20.945秒差をつけ圧勝した。僚友オスカー・ピアストリが3位表彰台に上がり、マクラーレンが再び大量ポイントを獲得した。
サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)を舞台とする次戦アメリカGPは、10月18日のフリー走行1で幕を開ける。