ラッセルに注目するレッドブルF1、外部起用も視野…揺れるラインナップ。リカルド続行の望み薄か
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、2025年末にメルセデスとの契約が切れるジョージ・ラッセルへのオファーを考慮に入れないのは「愚か」であると語り、角田裕毅を含む自分達のドライバープール以外からの起用を視野に入れていると認めた。
レッドブルのラインナップは現在、揺れに揺れている。シンガポールGPの週末に先立っては、日曜のレースがダニエル・リカルドにとってのF1ラストランとなる可能性が取り沙汰され、アメリカGP以降はリアム・ローソンが代わってシートを得るとの噂が飛び交っている。
ホーナーは無論、確定的なことを口にはしなかったが、リカルドがRBのシートに長く留まるだろうという印象を与えるようなことはあまり語らなかった。
リカルドがQ1敗退を喫することになる予選を前にホーナーは、シンガポールでのレースがリカルドのRBラストランになるのか?との英Sky Sportsからの質問に対し、「この手の内容は常に検討されていることだ」と答えた。
「ダニエルのことだけではなく、今後を見据えた選択肢全体を常に検討している。この後は次のレースまで約1ヶ月のオフがあるから、その間にシーズンの最後に向けて、現状を把握し、あらゆる選択肢を評価するのは当然だ」
レッドブルには年末までにローソンにシートを与える契約上の義務があるかとの質問に対しては、「ドライバーの契約の詳細に立ち入るつもりはない。会社と個人の間には外部に公開できないものがある」と答えた。
「リアムが昨年、VCARBのクルマで成し遂げた仕事は本当に印象的だったが、経験を優先した。なぜなら、セルジオ(ペレス)が失敗した場合、ダニエルが保険となる存在だったからだ」
「ダニエルはまずまずのシーズンを過ごしているが、際立ったシーズンを過ごしているわけではない」
「リアムがどれだけ優れているのかという疑問に対しては、その答えを得るために難しい決断を下さなければならないこともある。この後に控える3週間のオフを使ってあらゆる選択肢を検討する予定だ」
週末に先立ちリカルドは、シンガポールで表彰台に上がれば「状況はあっという間に変化する」と語ったが、日曜のレースのリザルトが状況を変える可能性についてニコ・ロズベルグから問われたホーナーは「ダニエルの現状については、(既に)多くのデータと知識を持っている」と述べた。
マーティン・ブランドルはホーナーに対し、アレックス・アルボンやピエール・ガスリー等、レッドブルは他のチームに移籍したドライバー達を手元に残すべきだったのではと疑問を呈し、現在のグリッド上でレッドブルのドライバーラインナップは「最も弱い」部類に属すると指摘した。
これに対してホーナーは「良い質問だ。我々は長年に渡って、数多くの若手ドライバーたちに素晴らしいチャンスを与えてきた。だが、レッドブルでは結果とパフォーマンスが要求される」と語った。
「マックス(フェルスタッペン)は結果を出しているが、チェコ(ペレス)は今年、期待に応えることができていない。昨年は素晴らしい仕事をしてチャンピオンシップで2位を獲得し、コンストラクターズチャンピオンに貢献した」
「将来に向けて更に先を見据えなければならない。我々のベンチにはリアム・ローソンが控えている。我々はフランコ・コラピントやオリバー・ベアマン、キミ・アントネッリといったドライバーを目にしている。彼(ローソン)はそういったレベルに達しているのか? 時間が経てばわかるだろう」
「F2には最近まで選手権をリードしていたアイザック・ハジャーもいるし、F3には大いに期待させるアーヴィッド・リンブラッドという若い才能もいる」
「我々のジュニアプログラムには厚みがある。時間をかけて将来のオプションをしっかりと検討したいと思っている」
ホーナーはさらに、2025年末でメルセデスとの契約が満了を迎えるラッセルについても言及し、将来的なドライバー候補の一人となる可能性を認めた。
「プールの外にも目を向けることを恐れていない。ジョージ・ラッセルは来年末で契約が切れる。それを考慮に入れないのは愚かだ。他にも契約が切れる才能あるドライバーはいる」とホーナーは語った。