”兄貴分”を凌駕したRB、角田裕毅は「信じられないほど速かった」とマルコ困惑…去年と異なる課題に直面するレッドブル
レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、姉妹チームのRBの方が遥かに素晴らしいパフォーマンスを発揮した理由の説明がつかないとして、F1シンガポールGPの初日を終えて困惑していることを認めた。
マリーナベイ市街地コースは昨年、レッドブルが唯一、勝利を逃した苦手とするサーキットだが、2024年もその例外ではないようで、セルジオ・ペレスはかろうじて8番手を刻んだが、マックス・フェルスタッペンはトップから1.3秒遅れの15番手で初日を終えた。
対照的にRBは、2回のセッションでともに2台が揃って上位に食い込んだ。角田裕毅はオスカー・ピアストリ(マクラーレン)を0.006秒上回る4番手を記録し、ダニエル・リカルドは6番手をマークした。
ハードタイヤを履いた角田裕毅のベストラップは、同じハードを履いたペレスよりコンマ7秒、フェルスタッペンより1.25秒も速かった。
独MOTORSPORT-TOTALによるとマルコは、「彼らは今回、新しいパーツを持ち込んでいないだけに、どうしてそうなったのか余計に分からない。ユーキはハードタイヤで信じられないほど速かった。説明がつかない」と語り、RBの躍進に驚きを隠さなかった。
「現時点では大いに懸念している。(2日目に向けて)思い切ったことを試みなければならない」
「何も機能していない。マックスのクルマは一切、機能していない。ソフトタイヤでもハードでも、グリップもバランスも全くなかった」
もとよりレッドブルは、簡単な週末になるとは考えていなかったが、それでも前戦アゼルバイジャンGPで改訂版フロアが一定の成果を残しただけに、特にペレスの方は、それなりに楽観的な見通しを持っていた。
マルコは、自身も同じようにある程度の期待を抱いていたことを認め、「だからこそ、悪い意味で驚きだった」と語り、「受け入れられない。競争力を高めるために問題を解決しなければならない。見たところ、我々のペースはコラピントと同じだった」と付け加えた。
昨年大会の敗因は、主にバンピーな路面と縁石にあったが、フェルスタッペンによると今週末はそれよりも、単に全体的なグリップ不足が問題になっているという。
レッドブルは伝統的に、金曜プラクティスでエンジン出力を控えめにするが、この日の不振の原因は別にある。それはタイヤの温度だ。
クリスチャン・ホーナー代表は「マックスはチェコよりもさらに温まらなかった。おそらく、彼が少しダウンフォースを減らして走っていたからだろう。色んなことを試してみたが、何も効果がなかった」と説明した。
ペレスはシングルラップでチームメイトに先行したが、逆にロングランでは安定しなかった。
搭載していた燃料の量が不明であるため、あくまでも参考だが、ハードタイヤを使ったペレスのロングランは5周平均で1分38秒9に過ぎず、角田裕毅は同じハードを履いて8周平均でコンマ1秒速いペースを残した。
2024年F1シンガポールGPの初日FP2をトップで締め括ったのはランド・ノリス(マクラーレン)。2番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)を0.058秒差で退けた。
FP3は日本時間9月21日(土)18時30分から、公式予選は同22時から1時間に渡ってマリーナベイ市街地コースで開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。