FIA、フェルスタッペンに社会貢献活動命令…F1シンガポール会見での”不品行発言”で
FIA主催の記者会見の場で不適切な発言があったとして、F1シンガポールGPのスチュワードは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)に「公共の利益に資する活動」を義務づける処分を下した。
3度のF1ワールドチャンピオンは2024年9月19日(木)に行われた会見において、前戦アゼルバイジャンGPで僚友セルジオ・ペレスに今季初めて予選で敗北したことについて問われた際、クルマに対する不満を”Fワード”で表現した。
ジョニー・ハーバートを含む4名の競技審判団は、「粗野で無礼」または「不快と受け取られる」可能性があり、放送に相応しくない言葉を使用したとして、フェルスタッペンがFIA国際競技規則第12条2項1号kに違反したと結論付けた。
同規定は「FIA、そのメンバー、またはそのオフィシャルに対して、道徳的な損害や不利益をもたらす言葉、行為、または文書、さらに一般的にはモータースポーツの利益やFIAが守る価値観に対して害を及ぼす行為」を禁止している。
20日(金)のFP1後に行われた聴聞会の中で26歳のオランダ人ドライバーは、この言葉は自身の母語ではなく、自身の理解の範囲では、英語において日常的に使われる言葉だと釈明した。
スチュワードは一定の理解を示したが、公共の場で発言する際、特にプレッシャーのない状況では、模範としての意識を持つことが重要だと強調した。フェルスタッペンは自身の振る舞いについて謝罪した。
今回の発言は特定の人物や集団に対して向けられたわけではないため、スチュワードは高額の罰金を科さないことを決定した。
一方で、同様の問題は以前から取り上げられており、ドライバーを含む競技者にも周知されていたため、スチュワードは以前よりも重い罰則を科すことを決め、フェルスタッペンに社会貢献活動を行うよう命じた。
2023年のF1ラスベガスGPでは、メルセデスとフェラーリのチーム代表、トト・ウォルフとフレデリック・バスールがそれぞれ、チーム代表者会見での罵り言葉に対してFIAから警告を受けた。
社会貢献活動が命じられるのは異例のことだが、フェルスタッペンにとってはキャリア2度目となる。
2018年のブラジルGP後のパルクフェルメでエステバン・オコンを小突いたとして、フェルスタッペンは同様の処分を受けた。これに伴い、2019年にマラケシュで行われたフォーミュラEの週末にFIAスチュワードの仕事を見学し、その後、FIA主催のスチュワードワークショップに参加した。
シンガポールGPの週末に先立ってFIAのモハメド・ベン・スレイエム会長は、F1中継で流れる罵り言葉の制限に意欲を示すとともに、ドライバーにも自身の発言に配慮する責任があると強調した。
同じ会見でフェルスタッペンは角田裕毅(RB)と共に、ベン・スレイエムの主張に反発した。