セルジオ・ペレス「不品行」規定違反で処分、謝罪…それでもノリスとの接触裁定に納得せず。何が不服だったのか
ペナルティによりF1アブダビGPの表彰台を失ったセルジオ・ペレス(レッドブル)は、スチュワードに対する「不品行」があったとして正式な警告処分を受けたが、それでもなお裁定に納得していない。
ペレスは残り12周目のターン6でランド・ノリス(マクラーレン)に接触した事で、5秒ペナルティと2点のペナルティポイント(累積7点)を科された。
その結果、2位チェッカーを受けたものの4位に降格となり、無線を通して「スチュワードの連中はお笑い草だ。信じられない。今シーズンの彼らは本当に酷かったけど、今回のは冗談みたいだ」と競技審判団を非難した。
レースを経てヴィタントニオ・リウッツィら4名のスチュワードは、FIA国際競技規定第12条2項1号k、つまりスチュワードを含むFIAのオフィシャルらに対する「あらゆる不品行」を禁止するルールに違反した疑いがあるとして、ペレスおよびチーム代表者を召喚して話を聞き、チーム無線の内容を確認した。
本来であれば、発言の矛先が向けられた当人たちがこのケースを裁くのは客観性に欠けるため、通常は次戦担当のスチュワードが審理する事になるが、アブダビGPは今シーズンの最終戦であったため、例外的にアブダビGPのスチュワードが担当した。
ペレスは聴聞会の中で「各スチュワードに真摯に謝罪すると共に、その場の勢いで発言してしまったと説明し、それが放送されることやその影響を考慮していなかった」と釈明した。
また「自身のコメントが誰かに不快感を与えたり、このスポーツに害を与えたりしたことに遺憾の意を表明し、こうした事は避けるべき事であった」と認めた。
スチュワードはペレスの謝罪を受け入れると共に、ペレスは通常、こうした発言をするドライバーではなく、また聴聞会においては「常に敬意を払ってきた」ドライバーであると指摘したうえで、ドライバーがスチュワードの判断に反対する事自体は問題ないが、個人的な侮辱に相当する発言は国際競技規定に違反するとして、ペレスを警告処分とした。
聴聞会の中でペレスは、接触事故に対するスチュワードの見解については「理解できる」としたが、それでもなお「依然として決定には同意できない」とも語った。
ペレスが納得いかなかったのは何故なのか?
ノリスとのインシデントについてペレスは「後続車がブレーキを遅らせる可能性があること、そして(それが理由で)完全にコントロール下にない可能性について前走車両は考慮する必要がある」と語った。
「ランドは僕がそこにいるのを知っているのにターンインしてきた。そしてタイヤとタイヤが接触し、彼はコーナーをカットしてタイムをゲインした」
「正直な意見としては、あれはレーシングアクシデントだったと思ってる」
「今日のスチュワードの対応は本当に情けないものだったと思う」
スチュワードは一件について、ターン6に進入する際に両者は並走していたにも関わらず、ペレスは遅れてコーナーに飛び込み、エイペックスを捉えられず、アンダーステアに見舞われてコーナーのアウト側に流れ、その結果、ノリスと接触したと説明している。