ラスベガス市街地コースを周回するシャルル・ルクレール(フェラーリ)、2023年11月16日F1ラスベガスGP FP3
Courtesy Of Ferrari S.p.A.

衝撃の下剋上も本命ルクレールが超僅差でポール!角田裕毅は”苛立ち”の最下位 / F1ラスベガスGP《予選》結果とダイジェスト

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初日を最速で締め括ったシャルル・ルクレールが2023 FIA-F1世界選手権22戦ラスベガスGPのポールポジションを獲得した。ネバダ州現地11月17日(金)24時から行われた予選でチームメイトを0.044秒の僅差で抑え、ラスベガスGP初代ポールシッターに輝いた。ポールは通算23回目。

ただしフェラーリのフロントロウ独占は叶わない。予選2番手のカルロス・サインツは排水設備不良が原因のクラッシュにより3基目のES(バッテリー)を開封したため、決勝では10グリッド降格の12番グリッドに着く。

三つ巴のポール争いは熾烈だった。ルクレールがQ3の1回目のラップで暫定ポールに立つと、0.022秒遅れでサインツが続いた。0.083秒遅れの暫定3番手につけたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は最終ラップを途中で中断。自己ベストを塗り替える事ができなかった。

未知のコースと路面、そして異様に低い気温。波乱が見込まれたこの日の予選では、マクラーレンがダブルQ1敗退を喫し、セルジオ・ペレス(レッドブル)とルイス・ハミルトン(メルセデス)がQ2で姿を消すなど、ウィリアムズ勢を含む伏兵の躍動によって下剋上が起きた。

僚友ハミルトンは11番手でQ2ノックアウトを喫したが、ジョージ・ラッセル(メルセデス)は3番手フェルスタッペンに僅か0.008秒差の4番手を刻んだ。

直線番長ウィリアムズFW45を駆るアレックス・アルボンは6番手、ローガン・サージェントは歓喜の母国7番手を獲得した。そんな2人を抑えて5番手タイムを刻んだのはピエール・ガスリー(アルピーヌ)だった。

ウィリアムズ勢と並んでQ3で1アタックに賭けたバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)は、アップグレード版のハースVF-23を駆るケビン・マグヌッセンを0.012秒差で抑えて8番手を記録した。10番手にはフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)が滑り込んだ。

Q1最終盤に向けてノックアウトゾーン最下位に沈んだ角田裕毅は、2セット目のソフトタイヤに履き替えコースに向かったものの、ターン5でコース外に飛び出したため計測ラップをフィニッシュできず20番手に終わった。

クルマを降りる際はヘッドレストを投げ捨て苛立ちをあらわにした。プレップ・ラップでトラフィックに巻き込まれ、その結果としてタイヤの温度が下がった事がロックアップに繋がったと説明した。

アルファタウリのチームメイト、ダニエル・リカルドは15番手ギリギリでQ2進出を果たしたが、それ以上は前進できず、15番手でQ2敗退を喫した。

予選Q1:マクラーレンがWノックアウト

決勝のスタートグリッドを決する争いは気温15℃、路面17℃のドライコンディションでスタートした。公式タイヤサプライヤーのピレリは、ハード(白色)にC3、ミディアム(黄色)にC4、ソフト(赤色)にC5コンパウンドを持ち込んだ。

11番手でQ1を突破し、Q2で14番手に終わったランス・ストロール(アストンマーチン)は、角田裕毅のコースオフに伴い出された黄旗を遵守せず、十分に減速しなかったとしてセッション終了後に調査を受ける。

メルセデス勢とアルファロメオ勢、アルボン、そしてガスリーの計6名に関しても、指定タイムより遅くラップを走ったとして調査が予定されている。

9月のシンガポールGP以来、数々の表彰台を獲得してきたマクラーレンはランド・ノリスが16番手、オスカー・ピアストリが19番手と、衝撃的なダブルQ1敗退を喫した。

予選Q2:ハミルトンとペレスが敗退

7度のF1ワールドチャンピオンとランキング2位のレッドブル・ドライバーが揃って姿を消した。

「これ以上速く走れなかった」と漏らしたハミルトンは0.028秒及ばず11番手に留まり、ペレスも0.046秒差でQ3を逃す12番手に終わった。

フェルスタッペンがコースに出た一方、ペレス陣営は終盤に向けてガレージ内に留まった。路面の改善は依然として著しかった。

ウィリアムズの2台は最終盤に向けてノックアウトゾーンに沈んでいたものの、最終ラップをしっかりとまとめ上げた。


2023年F1ラスベガスGP決勝レースは現地11月18日(土)22時にフォーメーションラップが開始され、1周6,201mのラスベガス市街地コースを50周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

2023年F1第22戦ラスベガスGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:33.617 1:32.775 1:32.726 23
2 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:33.851 1:33.338 1:32.770 23
3 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 1:34.190 1:33.572 1:33.104 19
4 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:34.137 1:33.351 1:33.112 22
5 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 1:34.272 1:33.494 1:33.239 25
6 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:34.634 1:33.588 1:33.323 21
7 2 ローガン・サージェント ウィリアムズ・メルセデス 1:34.525 1:33.733 1:33.513 23
8 77 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:34.305 1:33.809 1:33.525 19
9 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:34.337 1:33.664 1:33.537 23
10 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 1:34.422 1:33.617 1:33.555 24
11 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:34.307 1:33.837 15
12 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダRBPT 1:34.574 1:33.855 14
13 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 1:34.265 1:33.979 17
14 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:34.504 1:34.199 18
15 3 ダニエル・リカルド アルファタウリ・ホンダRBPT 1:34.683 1:34.308 18
16 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:34.703 9
17 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:34.834 10
18 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:34.849 10
19 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 1:34.850 10
20 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダRBPT 1:36.447 9

コンディション

天気晴れ
気温15℃
路面温度17℃

セッション概要

グランプリ名 F1ラスベガスGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 ラスベガス市街地コース
設立 2023年
全長 6201m
コーナー数 17
周回方向 反時計回り

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