ラスベガス市街地コースを周回するシャルル・ルクレール(フェラーリ)、2023年11月16日F1ラスベガスGP FP1
Courtesy Of Ferrari S.p.A.

前例なき深夜無観客…アロンソを抑えてフェラーリ1-2、角田裕毅は後方に沈む / F1ラスベガスGP《FP2》結果とダイジェスト

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2023年F1第22戦ラスベガスGPのフリー走行2が現地11月17日(金)深夜に行われ、公道コース好きを公言するシャルル・ルクレールが1分35秒265のトップタイムを刻んだ。角田裕毅(アルファタウリ)は17番手に留まった。

2番手にはカルロス・サインツが続き、フェラーリがタイムシートの最上部を占拠した。ただしチームメイトとの差はコンマ5秒以上に及んだ。3番手には0.011秒の僅差でフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)が続いた。

設備不良により僅か8分35秒でFP1が赤旗終了となったため、FP2が事実上のオープニング・セッションの役割をになった。検査と破損したマンホールの修復のため、FP2は2時間半遅れの現地深夜2時半に開始された。セッション時間は60分から90分に拡大された。

物流上の理由から全てのファンエリアは閉鎖され、観客不在の中、全20台が深夜のラスベガスを周回した。チェッカーが振られたのは現地早朝4時だった。本来であればFP1終了後に2セットを返却する必要があるが、全てのタイヤセットはFP2に持ち越された。前例のない1日だった。

レッドブル勢はセルジオ・ペレスが4番手を刻み、0.098秒遅れの6番手に留まったチームメイトのマックス・フェルスタッペンを上回った。両者の間には90度コーナーを得意とするバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)が割って入った。

僚友アロンソに対してコンマ7秒遅れたものの、ランス・ストロール(アストンマーチン)はルイス・ハミルトン(メルセデス)を抑えて8番手につけた。

アルファタウリは揃ってフィールド後方に沈んだ。角田裕毅は17番手、ダニエル・リカルドはコンマ27秒遅れの19番手でクルマを降りた。

コンストラクターズ選手権7位争いのライバルであるウィリアムズは、ローガン・サージェントが最下位に終わった一方、アレックス・アルボンが10番手に滑り込んだ。

プラクティス2は気温13℃、路面温度15℃のドライコンディションでスタートした。懸念されていたほどの寒さではなかったが、それでも路面は滑りやすく、ターン14を中心に数え切れない数のクルマがコースオフ。ロックアップやスピンが多く見られた。

ただ、セッションの進行に影響が出るようなクラッシュはなく、終盤にサージェントが僅かに壁と接触したくらいのものだった。

ラスベガス市街地コース(F1ラスベガスGP)のコースレイアウト図copyright Formula1 Data

ラスベガス市街地コース(F1ラスベガスGP)のコースレイアウト図

路面にラバーが乗っていない状況でロングランに取り組んでも得られるものは限定的だ。チームはセッションの大部分を1ラップペースのために割き、残り15分を切ってようやく燃料を積み連続周回に取り組んだ。

ドライバーの好みに応じてパッケージを分けたハースは、旧スペックを使ったヒュルケンベルグが7番手、アップグレード版を継続したケビン・マグヌッセンが13番手という結果だった。

マンホールの蓋が外れた事でエステバン・オコンは、サインツと同じようにFP1でクルマに大きなダメージを負った。アルピーヌはスペアシャシーを使ってクルマをゼロから組み直した。チームの努力に応えたいところであったが、オコンは16番手に留まった。チームメイトのピエール・ガスリーも15番手と、アルピーヌの初日は奮わなかった。

マクラーレンはランド・ノリスが11番手、オスカー・ピアストリが14番手と、2台共にトップ10圏外に沈んだ。低速域でのアンダーステア解消が鍵になりそうだ。

ピットレーン入口の白線を越えたとして、ヒュルケンベルグ、ガスリー、サージェントの3名に黒白旗が振られた。2日目に向けて何らかの調整が行われるかもしれない。

2日目以降も著しいトラック・エボリューションが予想される。変化と未知への適応が今週末の鍵になる事は間違いなく、その意味でFP2のタイムシートは決して決定的なものではない。

3回目のフリー走行は、現地11月17日(金)20時30分から1時間の日程で開催される。セッションの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

2023年F1第22戦ラスベガスGPフリー走行2(FP2)リザルト

Pos No Driver Team Time Gap Laps
1 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:35.265 39
2 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:35.782 +0.517 39
3 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 1:35.793 +0.528 38
4 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダRBPT 1:36.085 +0.820 36
5 77 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:36.129 +0.864 36
6 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 1:36.183 +0.918 37
7 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 1:36.489 +1.224 33
8 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:36.496 +1.231 41
9 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:36.663 +1.398 42
10 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:36.688 +1.423 42
11 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:36.864 +1.599 33
12 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:36.890 +1.625 37
13 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:36.917 +1.652 37
14 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 1:36.987 +1.722 35
15 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 1:37.134 +1.869 33
16 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:37.241 +1.976 37
17 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダRBPT 1:37.412 +2.147 41
18 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:37.656 +2.391 36
19 3 ダニエル・リカルド アルファタウリ・ホンダRBPT 1:37.680 +2.415 40
20 2 ローガン・サージェント ウィリアムズ・メルセデス 1:38.140 +2.875 42

コンディション

天気晴れ
気温13℃
路面温度15℃

セッション概要

グランプリ名 F1ラスベガスGP
セッション種別 フリー走行2
セッション開始日時

サーキット

名称 ラスベガス市街地コース
設立 2023年
全長 6201m
コーナー数 17
周回方向 反時計回り

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