小林可夢偉とトヨタ TS050 HYBRID7号車、2020年第88回ル・マン24時間レース ハイパーポール後のグリッドにて
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佐藤琢磨との夢の共演なるか? 小林可夢偉、インディカー参戦への興味認める

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小林可夢偉と佐藤琢磨の夢の共演なるか? 2019-20年シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)チャンピオンは、北米最高峰のオープン・ホイール、NTTインディカー・シリーズ参戦への興味を認めた。

負傷したティモ・グロックの代役として臨んだ2009年ブラジルGPで鮮烈なF1デビューを飾った小林可夢偉は、2012年のF1日本GPで日本人3人目となる3位表彰台を獲得。2015年以降はスーパーフォーミュラ、スーパーGT、WECなど多方面で活躍し、昨年は最高峰の耐久レースで待望のワールドチャンピオンに輝いた。

昨年9月に34歳となった日本を代表するレーシングドライバーはRACERとのインタビューの中で、インディカーの参戦に興味は?と問われ「勿論だ」と答えた。

搭載されるエンジンや車重、タイヤは異なれど、スーパーフォーミュラの車体「SF19」はインディカーと同じく伊ダラーラが開発を行っている。小林可夢偉はその点に触れて「シャシーに関してはどういうものか知っているし自信はある」「本当にコンペティティブなシリーズで有能なドライバーがたくさんいるし、機会があれば是非やってみたい」と前向きな言葉を口にした。

小林可夢偉は2019年より3年間に渡って、キャデラック・DPi-V.Rを駆り米国伝統の耐久レース「デイトナ24時間レース」に参戦。今年1月の3度目の挑戦は惜しくも2位と優勝には届かなかったが、2連覇を達成している。

そんなデイトナをチームメイトとして共に戦った第103回インディ500ウィナーであり、チーム・ペンスキー所属のシモン・パジェノーは小林可夢偉について「僕が最も評価しているのは、着飾ろうとせずに核心を突くところだ。彼はただ、ありのままを伝える。クルマに必要なことを2言で簡潔に説明し、それが終わったら次に移る。見ていて本当に楽しい」「非常に献身的だし、クルマのコントロールも素晴らしい。一緒に仕事をするのが楽しくて最高に良いチームメイトだった。その態度は素晴らしく、まさにレースウォーリアーだ」と述べ、インディカーへの参戦を歓迎した。

ポールポジション獲得を喜ぶシモン・パジェノー、2019年インディ500予選copyright Indycar

ポールポジション獲得を喜ぶシモン・パジェノー、2019年インディ500予選

近年のスーパーフォーミュラが海外若手ドライバーの育成地という新たなレイヤーを備えつつある一方、インディカーには新天地を求めるベテランが引き寄せられている傾向がある。

今年のインディカーは、ハースF1を去ったロマン・グロージャンがデイル・コイン・レーシングから参戦し、小林可夢偉と共にデイトナを戦ったNASCARの生ける伝説ジミー・ジョンソンがチップ・ガナッシから新たな挑戦をスタートさせる。ここに小林可夢偉の名が並んでも違和感はない。

インディカーと言えば、12シーズン目に挑むレジェンド佐藤琢磨だ。年の差10歳、ホンダとトヨタ。F1では入れ違いとなったため、2人が同じ舞台で戦った事はない。

インディカーにはトヨタとライバル関係にあるホンダがエンジンサプライヤーとして関与しているため、実現するとすればマクラーレンやエド・カーペンター、AJフォイトやチーム・ペンスキーといったシボレー系チームでの参戦だろう。

リップ・サービスとは思わず実現に期待したい。