角田裕毅、タイヤ交換「遅すぎた」ペースで僚友上回るもチームオーダーなく不満げ
ポイント圏内9番グリッドを手にしながらも、母国入賞を逃した9月24日(日)の2023年F1日本GPを経て角田裕毅(アルファタウリ)は、最終スティントに向けたタイヤ交換のタイミングが「遅すぎた」とし、また、終盤にチームオーダーによる順位の入れ替えがなかった事に不満を抱えている様子をうかがわせた。
この日のアルファタウリ勢にはトップ10を争うほどのペースがなく、またハードタイヤが1セット少なかった事もあってアルピーヌ勢にポジションを奪われ、リアム・ローソンは11位、角田裕毅は10万1000人の母国観衆を前に12位に終わった。
スタートタイヤにソフトを選んだアルファタウリの2台はオープニングラップで激しいバトルを繰り広げた。S字をサイドバイサイドで通過すると、デグナーでローソンがオーバーテイク。角田裕毅はヘアピンでやり返したが、スプーンで再び追い抜きを許して10番手に後退した。
10周目のミディアムタイヤへの履き替えでローソンをアンダーカットするも23周目、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)にポイント圏内から蹴り落とされ11番手に後退した。
25周目、前後を走るフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)とローソンが2回目のピットストップを行ったものの、角田裕毅は30周目までスティントを引っ張り下から2番目の14番手でコースに復帰。チームメイトにアンダーカットされた。
12番手を走行する角田裕毅は残り11周でローソンのDRS圏内を捉えるも追い抜くには至らず、更には最終周に後方から迫るラップリーダーのマックス・フェルスタッペンによる青旗を受け、オーバーテイクのチャンスを完全に失った。
失意のレースを終えた角田裕毅は「今日はペースがあったのに、それを最大限に活かすチャンスがなく本当に悔しいです」と振り返った。
「鈴鹿ではタイヤが本当に容易にオーバーヒートしてしまうため、前のクルマについていくのが大変で、おまけに今日はハードタイヤへの履き替えのタイミングが遅すぎたように思います。結果、最後尾に回ってしまい、集団に追いつくレースをしなければなりませんでした」
「今日は10位を捉えるだけのチャンスがなかったように思います。日本のファンのみなさんの前で良いパフォーマンス、良い結果を残せなかったのは残念ですが、たくさんのエネルギーを頂いたので感謝しています。今日はどうしようもありませんでした」
最終スティントに関しては、フレッシュなタイヤを履く角田裕毅がペースでローソンを上回っていたが、チームオーダーが出される事はなかった。
チームに介入してもらってトップ10を狙えるかどうか試したかったか?と問われた角田裕毅は「そうですね。少なくともペースでは遥かに速かったので。ただ、チームが決めたことなので僕にはどうしようもありません」と答えた。
2023年F1第17戦日本GP決勝レースではマックス・フェルスタッペンがポール・トゥ・ウインでレッドブルのコンストラクターズ選手権連覇を決め、2位にランド・ノリス、3位にオスカー・ピアストリが続く結果となった。
ロサイル・インターナショナル・サーキットを舞台とする次戦カタールGPは10月6日のフリー走行1で幕を開ける。