パルクフェルメでポーズを取るレースウィナーのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2023年9月24日(日) F1日本GP(鈴鹿サーキット)
Courtesy Of Red Bull Content Pool

2023年F1日本GP《決勝》結果と詳報:5台DNFの混沌…レッドブル、ホンダのお膝元でタイトル2連覇!角田裕毅は母国入賞叶わず

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2023シーズンのFIA-F1世界選手権第17戦日本GP決勝レースが現地9月24日に鈴鹿サーキットで行われ、マックス・フェルスタッペンがポール・トゥ・ウインを達成。シーズン6戦を残してレッドブルに2年連続のコンストラクターズ選手権制覇をもたらした。角田裕毅(アルファタウリ)は母国入賞叶わず12位に終わった。

接触とセーフティーカー(SC)規定違反によるペナルティを経て僚友セルジオ・ペレスがリタイヤした一方、戴冠の重責を一手に背負ったフェルスタッペンは後続に19.387秒の大差をつけて13勝目を飾り、パワーユニットの技術供与を受けるホンダのお膝元でレッドブルに通算6回目のタイトルを献上した。

キスで反応する初のF1優勝トロフィーを手に表彰台で喜びを表現するマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2023年9月24日(日) F1日本GP(鈴鹿サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

キスで反応する初のF1優勝トロフィーを手に表彰台で喜びを表現するマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2023年9月24日(日) F1日本GP(鈴鹿サーキット)

ランド・ノリス(マクラーレン)はチームメイトを逆転して2戦連続の2位フィニッシュを飾り、オスカー・ピアストリは3位に続いてキャリア初の表彰台に上がった。

フェラーリとメルセデスに表彰台を争う競争力はなく、シャルル・ルクレールが4位、ルイス・ハミルトンが5位、カルロス・サインツが6位でレースを終えた。ジョージ・ラッセルは唯一人、1ストップ戦略を採ってトラックポジションを重視したが、ロングスティントの後半に順位を守れる程のペースは残っておらず、このグループの中で最も下の7位に終わった。

フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)はソフトスタートの優位性を活かして1周目に4ポジションアップを果たしたが、スティントを引っ張るアルピーヌに前を塞がれた事で順位を失い、8位でチェッカーを受けた。

アルファタウリ勢はトップ10を争うほどのペースがなく、またハードタイヤが1セット少なかった事もあってアルピーヌ勢にポジションを奪われ、リアム・ローソンが11位、角田裕毅は9番手スタートながらも、10万1000人の母国観衆を前に入賞を飾ることはできず12位に終わった。

エステバン・オコンが9位、ピエール・ガスリーが10位フィニッシュした事で、アルピーヌは逆転のダブル入賞で日本GPを締め括った。

鈴鹿サーキットで僚友リアム・ローソンとポジションを争う角田裕毅(アルファタウリ)、2023年9月24日F1日本GP決勝レースCourtesy Of Red Bull Content Pool

鈴鹿サーキットで僚友リアム・ローソンとポジションを争う角田裕毅(アルファタウリ)、2023年9月24日F1日本GP決勝レース

オープニングラップでの多重接触事故もあり、ペレスとウィリアムズ勢、ランス・ストロール(アストンマーチン)、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)の計5台がリタイヤした。

1周目のターン1に向けてハミルトンと接触したペレスはSC導入を経てフロントウイングの交換のためにピットイン。コース復帰の際、SCラインの手前でアロンソを追い抜き5秒ペナルティを受けた。

その後、12周目のヘアピンでケビン・マグヌッセン(ハース)のイン側に飛び込み接触。これにより2セット目のウイングの交換を強いられた。

この接触事故により再度、5秒が下されたため、レッドブルはペレスをガレージに入れリタイヤさせた。だが、ペナルティを消化しないままに次戦カタールGPを迎えるとグリッド降格が科される恐れがあったため、40周目にコースに復帰。翌周の終わりにピットインして5秒を消化すると、もう1周走って再びガレージにクルマを入れた。

レース概要

決勝は日本時間24日(日)14時にブラックアウトを迎え、1周5,807mのコースを53周する事で争われた。現地鈴鹿は晴れ、チャンピオンシップポイントを争うレースのフォーメーションラップは気温27℃、路面45℃のドライコンディションで開始された。

公式タイヤサプライヤーのピレリは2番目に硬いレンジのC1からC3までのコンパウンドを投入。レースでは最低2種類のコンパウンドを使用する義務があり、ミディアムとハードを組み合わせた2ストップ戦略が主流となった。

9番手の角田裕毅を含むアルファタウリ勢、10番手アロンソ、16番手以下のボッタス、ストロール、ヒュルケンベルグ、周冠宇の7名がソフトを、他はミディアムをスタートタイヤに選んだ。

2023年9月24日に鈴鹿サーキットで行われたF1日本GPでのドライバー別タイヤ戦略 (2)Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2023年9月24日に鈴鹿サーキットで行われたF1日本GPでのドライバー別タイヤ戦略 (2)

2023年9月24日に鈴鹿サーキットで行われたF1日本GPの気温と路面温度の変化Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2023年9月24日に鈴鹿サーキットで行われたF1日本GPの気温と路面温度の変化

サードカー規定およびパルクフェルメ規定の両違反によりローガン・サージェント(ウィリアムズ)は決勝を前に、ピットレーンスタートに加えて10秒ペナルティが科された。

オープニングラップではターン 1を前に中団で接触事故が発生。デブリの回収のため早くもセーフティカーが導入された。角田裕毅はローソンとサイドバイサイドとなってS字を通過。チームメイトに前を許して10番手に後退した。

ペレスとハミルトンの接触の後方ではアルボンとボッタスが衝突。1周目を終えて計6台がピットストップを行った。悪いことにボッタスはジャッキアップで問題が発生。かなりの時間を失ったが悪夢はまだ続く。

レースは4周目にリスタートを迎えた。ボッタスはヘアピンでサージェントに追突されコースアウト。再びピットインするも、レースを続行を諦めた。サージェントには5秒ペナルティが科された。

指揮官トト・ウォルフ不在のメルセデスは、ラッセルとハミルトンが激しい7番手争いを繰り広げた。クルマにダメージを負ってペースが上がらないハミルトンが執拗にディフェンスを続けるとラッセルは無線を通して、自分たちが戦うべきはお互いなのか、それとも他のチームなのかと問いかけた。

ペースが上がらない角田裕毅は10周目にピットイン。ミディアムタイヤを履いてクリーンエアーが得られる場所でコースに復帰し、翌周にピットインした僚友ローソンをアンダーカットするも23周目、ガスリーにポイント圏内から蹴り落とされ11番手に後退した。

ヘアピンでのマグヌッセンに対するペレスの衝突によりデブリが飛び散ったため、14周目にバーチャル・セーフティーカー(VSC)が導入された。この直前にピットインしたピアストリは僅かながらもアドバンテージを得た。

ペレスがガレージに収まった事で、レッドブルの鈴鹿タイトル2連覇を一手に背負ったフェルスタッペンは16周目にピットイン。ミディアムに履き替えピアストリの前方 2.5秒の位置でコースに戻った。

21周目、クルマにトラブルが発生し、安全にレースを完走できないと判断されたストロールがクルマを降りた。これに続いてサージェントは25周目に、アルボンは27周目に同じくガレージにクルマを入れた。

ラッセルは誰よりも長く第1スティントを引っ張り24周目にハードタイヤに交換。ワンストップを見据えて残り29周に臨んだが、デグラデーションは大きく、直近のライバルに対してポジションを守り切る事はできなかった。

25周目、前後を走るアロンソとローソンが2回目のピットストップを行ったが、角田裕毅は30周目までスティントを引っ張り、下から2番目の14番手でコースに復帰。チームメイトにアンダーカットされた。

26周目、マクラーレンはペースの上がらない2番手ピアストリと3番手ノリスの順位を入れ替えた。

34周目のルクレール、ハミルトンの2回目のピットストップを皮切りに、アンダーカットを防ぐべく上位勢が続々とピットストップを消化した。

12番手を走行する角田裕毅は残り11周でローソンのDRS圏内を捉えたが追い抜くには至らず、更には最終周にラップリーダーのフェルスタッペンが迫ってきたため青旗を受け、オーバーテイクのチャンスを完全に失った。

2023年F1第17戦日本GP決勝リザルト

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 53 1:30:58.421 26
2 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 53 +19.387s 18
3 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 53 +36.494s 15
4 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 53 +43.998s 12
5 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 53 +49.376s 10
6 55 カルロス・サインツ フェラーリ 53 +50.221s 8
7 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 53 +57.659s 6
8 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 53 +74.725s 4
9 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 53 +79.678s 2
10 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 53 +83.155s 1
11 40 リアム・ローソン アルファタウリ・ホンダRBPT 52 +1 lap 0
12 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダRBPT 52 +1 lap 0
13 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 52 +1 lap 0
14 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 52 +1 lap 0
15 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 52 +1 lap 0
NC 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 26 DNF 0
NC 2 ローガン・サージェント ウィリアムズ・メルセデス 22 DNF 0
NC 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 20 DNF 0
NC 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダRBPT 15 DNF 0
NC 77 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 7 DNF 0

コンディション

天気晴れ
気温27℃
路面温度45℃

セッション概要

グランプリ名 F1日本GP
レース種別 決勝
レース開始日時

サーキット

名称 鈴鹿サーキット
設立 1962年
全長 5807m
コーナー数 18
周回方向 時計回り

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