ピエール・ガスリー、鈴鹿最終周のオーダーに苛立ち爆発…オコンとの間に一体なにが
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ピエール・ガスリー(アルピーヌ)は12番手からの10位入賞を飾った2023年のF1日本GPを終えて、あからさまに苛立った様子を見せた。ファイナルラップでのチームオーダーに怒りを爆発させ、不信感をあらわにした。
アルピーヌは鈴鹿での53周で2度に渡って順位を入れ替えた。一見すると典型的なチームオーダーのように見えるが、オープニングラップの混乱により状況が複雑になった。
46周目、ピットウォールはエステバン・オコンの前方を走るフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)攻略に向けて、よりフレッシュなタイヤを履くガスリーを前に出したが、追い抜く事はできなかった。
そこでチェッカーフラッグに向けて9-10を確保すると、オコンに対してポジションを戻すようガスリーに指示した。
ガスリーは不信感をあらわにして「冗談だろ?」とレースエンジニアのカレル・ロースに食って掛かり、入れ替えがなくとも自力でオコンを追い抜いていたと主張。激しく抗議したが、ファイナルラップの最終盤ギリギリで諦めオコンを前に出した。
チェッカーフラッグを受けた後、ガスリーはステアリングとヘイローを叩き続けた。旧ダンロップコーナーの丘を登り切るまで。
12番手から巻き返してポイントフィニッシュした事について問われたガスリーは「まずまずのレースだった。でも今の僕らはこの程度だから、チームとしてパッケージの改善に向けて頑張っていくつもりだ」とだけ素っ気なく答えた。
明らかに苛立って見えるが、それはマクラーレンやメルセデス、フェラーリとの格の差を感じたからなのか?と問われると次のように返した。
「いや、最終ラップで順位を入れ替えなきゃならなかった事に少し腹が立っているんだ。その理由が完全には理解できない。なぜ交換しなきゃならなかったのかよく分からないから内々で話し合ってみる」
ガスリーがオコンを追い抜いた際、チームは後にポジションを入れ替える可能性を伝えていなかった。オコンもまた、ポジション返上の可能性について保証されていなかった。
最初の交換の際、ガスリーがアロンソを抜けなかったらポジションを返してくれるのか?とオコンが尋ねた際、レースエンジニアのジョシュ・ペケットは「何ができるか見てみよう」とだけ返した。
ガスリーがオーソドックスな2ストッパーを採った一方、オコンは変則的な2ストップだった。接触事故の煽りを受けタイヤがパンクしたため、1周目に速くもハードタイヤに履き替えなければならず、2回目のストップはガスリーより6周早かった。
そのため最終スティントに向けてオコンによるガスリーのアンダーカットが発生した。
ガスリーはレース前に、オコンが自身を戦略的にアンダーカットする可能性についてチームから聞かされていた。ただ、予選でオコンに先行し、その後も「常に前を走り続けていた」ため、入れ替えはオコンに”譲って貰った”というよりも、”当然の権利”と考えていたようだ。
また、道を譲って貰わずとも「コース上で追い抜いていただろう」としており、ポジションを返上する必要性を全く感じていなかった。
アルピーヌがレース前に何を議論していたのかは不明だが、少なくともオコンがアンダーカットによって前に出たのは、チームの事前計画に基づくシナリオとは異なるものであった事だろう。このアンダーカットは1周目に想定外のタイヤ交換を強いられた結果であり、完全に予定外の事態だった。
最終ラップのチームオーダーによってアルピーヌが得たものは何もなかった。ガスリーとの関係を不必要に緊張させただけで、得られるポイントが3点である事に違いはなかった。
このチームオーダーについて暫定チーム代表を務めるブルーノ・ファミンは「こうした決定を下すのは決して簡単なことではないが、すべてはチームの利益を最優先して行われる」と語った。
2023年F1第17戦日本GP決勝レースではマックス・フェルスタッペンがポール・トゥ・ウインでレッドブルのコンストラクターズ選手権連覇を決め、2位にランド・ノリス、3位にオスカー・ピアストリが続く結果となった。
ロサイル・インターナショナル・サーキットを舞台とする次戦カタールGPは10月6日のフリー走行1で幕を開ける。