ピエール・ガスリーに声援を送るアルファタウリ・ホンダのメンバー達、2020年F1イタリアGP決勝レースにて
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ホンダF1、PUに不具合発生もガスリーが初勝利の大金星「共に歩んでこれた事を誇りに思う」

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ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは9月6日(日)に行われたF1第8戦イタリアGP決勝を終えて、F1での55戦目で初優勝を飾ったピエール・ガスリーと、2018年より運命を共にしてきたパートナーのアルファタウリを祝福し「共に歩んでこれた事を誇りに思う」との賛辞を贈った。

低ダウンフォース・超高速というカレンダーの中では異端な特性を備えるモンツァ・サーキット。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でティフォシ不在の中、ホームゲームのアルファタウリ・ホンダはダニール・クビアトが9位フィニッシュを果たし、2台揃ってのダブル入賞で週末を締め括った。

Pos Driver Team Laps Time PTS
1 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 53 1:47:06.056 25
9 ダニール・クビアト アルファタウリ・ホンダ 53 +22.208s 2
15 アレックス・アルボン レッドブル・ホンダ 53 +37.533s 0
NC マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 30 DNF 0

対照的に、同じホンダ製F1パワーユニットを搭載するレッドブル・ホンダ勢はノーポイントという非常に厳しい結果に終わった。

表彰台の望みはあるとして、逆転を目指して5番グリッドからレースに臨んだマックス・フェルスタッペンは、1周目に3ポジションダウンの8番手に後退すると、ピットストップのタイミングで更にポジションを落としてポイント圏外に。14番手を走行していた31周目にパワーユニットに問題が発生したことでリタイヤを喫した。

9番グリッドのアレックス・アルボンは、オープニングラップのターン1でイン側にいたガスリーと接触し、6ポジションダウンの15番手に後退。更に、他車に十分なスペースを残さなかったとして5秒ペナルティを受けた。ピットタイミングでもコース上でも挽回できず、完走車両としては下から2番目の15位でフィニッシュした。

週末を総括した田辺豊治テクニカル・ディレクターは「共に歩んでこれた事を誇りに思う」との賛辞を贈った。

「今日はスクーデリア・アルファタウリのガスリー選手が本当に素晴らしい優勝を果たしました。トロ・ロッソ時代を含めてアルファタウリとの50戦記念という節目のレース、またチームの本拠地イタリアで、一緒に優勝を祝うことができたことを本当にうれしく感じています」

「ガスリー選手の非常に安定した力強い走りに加え、チームのレース戦略もきっちりと機能し、我々のパワーユニット(PU)も含め、全員が力を合わせて努力してきた結果だと思います。キャリア初勝利を飾ったガスリー選手、そしてチームのメンバーにおめでとうの言葉を贈りたいと思います」

「ホンダとして、ここまで彼らと一緒に歩みを進めてこられたことを誇りに感じています。そして、ここまで応援してくれたファンの皆さまに感謝の言葉を贈ります」

優勝トロフィーとシャンパンを手にするアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー、2020年F1イタリアGP決勝レース
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技術指令書の発行により、F1サーカスでは今週末より、予選と決勝を通して単一のエンジンモードの使用が義務付けられる事となった。これまでに誰も経験した事のない条件の中で行われたレースウィーク最終日には、フェルスタッペンのリタイヤという看過できない結末が待っていた。田辺TDは問題の解決を誓う。

「なお、今週末は我々にとってPUのモード制限に対応する初めてレースとなり、さまざまなことを経験しました」と田辺TD。

「特にレッドブル・レーシングのフェルスタッペン選手はPUトラブルによるリタイアという結果となり、厳しい問題も発生してしまいました。これより問題の解析作業を進めるとともに、今週末のデータならびに状況を見直して、来週のムジェロでのレースに備えたいと思います」


9月6日(日)にモンツァ・サーキットで行われた2020年F1第8戦イタリアグランプリ決勝レースでは、10番グリッドからスタートしたピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)が波乱のレースを制してキャリア初優勝を飾った。2位はカルロス・サインツ(マクラーレン)。3位表彰台にはランス・ストロール(レーシングポイント)が滑り込んだ。

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